ファクタリングでオフバランス化は可能?仕組みやメリット・デメリットを解説
ファクタリングは、資金調達方法として活用するのが一般的ですが、オフバランス化を目的に利用するケースも少なくありません。
ファクタリングを賢く活用してオフバランス化が成功すれば、企業価値が高まり倒産のリスクを抑えられます。
この記事では、企業価値を高める要素となる「オフバランス化」について、ファクタリングを活用した仕組みやメリット・デメリットを解説します。
資金繰りに苦しんでいる企業の方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
そもそもオフバランスとは?
オフバランスとは、企業における貸借対照表(バランスシート)の資産や負債を減らすことです。
貸借対照表は財務諸表の1つであり、簡単にいえば「企業のお金の動き」が分かる資料といえます。
企業の資産や負債、純資産(資本)の状態は貸借対照表にて確認が可能です。
貸借対照表の資産を貸借対照表から問題のない方法で切り離す(オフする)ため、オフバランスと呼ばれています。
詳しくは後述しますが、オフバランスを図ると総資産利益率(ROA)を改善でき、結果として企業価値が向上します。
資産や負債を減らす(オフ)ことで、会計のスリム化を図るのがオフバランス化の狙いです。
ファクタリングでオフバランス化ができる仕組み
ファクタリングでオフバランス化ができる仕組みは、ファクタリングが融資や借入ではなく「売掛金を売却」して資金を調達するためです。
ファクタリングを活用することで、貸借対照表上(バランスシート)の売掛金の数字を減らし、さらに売却金により普通預金(現金)も増やせます。
ファクタリングで得た資金を返済金などに充てれば、貸借対照表のスリム化が可能です。
ファクタリングでオフバランス化を図ることで、会計をスリム化させ経営状態を良く見せられるのです。
ファクタリングでオフバランス化を図るメリット
ファクタリングでオフバランス化を図るメリットは、次の5つです。
1. 貸借対照表のスリム化
2. ROA(総資産利益率)の向上
3. 企業価値が高まる
4. 自己資本比率の向上
5. 貸し倒れリスクの低減
それぞれ解説します。
貸借対照表のスリム化
ファクタリングでオフバランス化を図ることで、貸借対照表のスリム化が可能です。
ファクタリングを利用すれば、貸借対照表の「売掛金」部分を売却して資金を調達できます。
もし、ファクタリングではなく金融機関などの「融資」で資金を調達した場合は、貸借対照表の負債部分の数字が増えることになります。
融資で得た資金は貸借対照表に記載されるため、オフバランス化はできません。
一方、ファクタリングの場合は売掛債権を売却して資金を調達するため、貸借対照表には記載されずオフバランス化が可能です。
調達した資金を貸借対照表の「負債」部分の返済に充てることで、貸借対照表のスリム化を図れます。
ROA(総資産利益率)の向上
ファクタリングを活用したオフバランス化は、ROA(総資産利益率)の向上にもつながります。
ROAは「リターン・オン・アセット」の略称で、簡単にいえば資産に対していくら売上を生み出したかを表す指標のことです。
ROAは、【ROA(純資産利益率)=当期純利益÷(純資産×100)】の計算式で算出されています。
ファクタリングでオフバランス化を図ると、金融機関の融資と比べると総資産を減らせるため、ROAが高まります。
同じ売上でもより少ない資本で売上を出すことにつながるため、結果としてROAの向上につながるのです。
企業価値が高まる
ファクタリングでオフバランス化を図ると、企業価値の向上にもつながります。
ファクタリングで売掛債権を資金に変え、負債に充てることで貸借対照表がスリム化します。
また、ファクタリングは融資に該当しないため、オフバランス化することで総資産を減らしROAの改善も可能です。
貸借対照表がスリム化しROAが改善されると、「経営状態がよく見える」ことから企業価値が高まります。
企業価値が高まると金融機関などからの評価も上がるため、より大きな融資を受けやすくなるといったメリットも生まれます。
自己資本比率の向上
ファクタリングによるオフバランス化を図ると、自己資本比率の向上にもつながります。
自己資本比率とは、返済不要の自己資本が総資本の内どれくらいを占めるかを表す割合です。
自己資本比率は、【自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資本(他人資本+自己資本)× 100(%)】の計算式で算出されます。
自己資本比率は、企業の安定性を表す数字です。自己資本比率の数値が高い企業ほど、経営が安定しているといえます。
逆に自己資本比率が低いと、自己以外の資本(融資など)に頼っている企業と見られるため、不安定な印象を与えます。
ファクタリングは売掛債権の売買契約のため、総資本に影響することはありません。
ファクタリングで得た資金でオフバランス化を図ることで、自己資本比率の向上につながります。
貸し倒れリスクの低減
ファクタリングでオフバランス化を図ることで、貸し倒れリスクを減らせます。
売掛債権は長期保有するほど、貸し倒れリスクが上がる傾向にあります。
売掛金の支払いを待っている間に、売掛先の企業が業績悪化により倒産する可能性もあるためです。
また、売掛金の支払いを待っている間は、企業も預金(現金)がない状態が続きます。
企業が倒産する理由の多くは「赤字」ではなく、「預金(現金)」がないことによる倒産です。
ファクタリングで売掛債権を早期に資金化してしまうことで、貸し倒れのリスクを低減させられます。
ファクタリングでオフバランス化を図るデメリット
ファクタリングでオフバランス化を図るデメリットは、次の2つです。
1. 手数料がかかる
2. 売掛債権によっては利用できない
1つずつ解説します。
手数料がかかる
ファクタリングでオフバランス化を図るデメリットとして、手数料があります。
ファクタリングの契約方式や金額にもよりますが、基本的にファクタリングの手数料は金融機関の融資の金利と比べると、比較的高めに設定されています。
ファクタリングは売掛債権を早期に資金化できる一方、手数料による利益の減少が少なからず発生することを理解しておきましょう。
売掛債権によっては利用できない
ファクタリングでオフバランス化を図るデメリットとして、売掛債権によっては利用できないことがあります。
下記のような売掛債権は、ファクタリング業者によっては審査を通過できない可能性があります。
• 売掛先の経営が危うい:未回収リスクがある
• 売掛先との取引が浅い:取引実績が低いと、売掛債権の信用度が下がる
• 売掛金の支払い期日が長い:入金までのリスクが長すぎると、貸し倒れリスクが高まる
上記のようなケースに該当する場合は、ファクタリングを利用できない可能性がありますので注意しましょう。
ファクタリングのオフバランス化についてのQ&A
ファクタリングのオフバランス化について、よくあるQ&Aを紹介します。
ファクタリングでオフバランス化を図る際には、ぜひ参考にしてみてください。
手数料が引かれるのにファクタリングで資金化するメリットは?
ファクタリングは利用時の手数料がかかるというデメリットがある一方で、売掛債権を早期に資金化できるメリットがあります。
ファクタリングで調達した資金は、貸借対照表に記載されません。
調達した資金で負債を返済したり、設備投資や人件費などに回すことで経営が改善する可能性があります。
また、ファクタリング業者に売掛債権を譲渡することで、万が一売掛先の企業が倒産した場合でも回収不能による共倒れリスクなども回避できます。
ファクタリングによる資金調達を検討すべきケースは?
次のようなケースに該当する場合は、ファクタリングの利用を検討してみましょう。
• 売掛金の回収期間が長く運転資金を確保できない
• 取引先からの入金が遅延しており現金を調達できない
• 金融機関からの融資を断られたor融資を受けずに資金調達したい
上記のようなケースの場合、ファクタリングを上手く活用することで経営改善につながる可能性があります。
借り入れで資金調達するデメリットは?
金融機関などの融資で資金調達した場合、次のようなデメリットがあります。
• 企業の信用情報に影響する
• 貸借対照表の負債が増える(経営状態が悪く見える)
• 審査から入金までの期間が長い(長いと1ヶ月以上)
想定外の支払いが発生し早期の資金調達が必要になった場合、金融機関の融資では支払期日に間に合わない可能性があります。
融資ではなくファクタリングを利用すれば、最短即日での資金調達も可能です。
ファクタリングによるオフバランスで会計をスリム化しよう
この記事では、ファクタリングでオフバランス化ができる仕組みや、メリット・デメリットについて解説してきました。
ファクタリングでオフバランス化を図ると、金融機関の融資と比べると総資産を減らせるため、ROA(総資産利益率)の改善につながります。
ただし、ファクタリングを利用したオフバランス化は、ファクタリング利用時の手数料がネックです。
手数料の負担が大きいと、資金繰りがより悪化する可能性もあります。
効果的にファクタリングを活用するためにも、できるだけ手数料の低いファクタリング業者を選ぶといいでしょう。
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