ファクタリングで失敗する原因は?資金調達を成功させる対策も解説
ファクタリングを使っても資金繰りを改善できず、経営に不安を感じていませんか。
実際に利用の失敗で、資金繰りを改善できない企業は多いといえます。
うまくいかない原因を想定し、適切な対策を施してください。
以上を実践すれば、売掛金の取引を有効活用でき、資金繰りを改善できるでしょう。
今回はファクタリングがうまくいかない方のため、失敗の原因を挙げ、不測の事態の防ぎ方をまとめました。
目次
ファクタリングの利用で失敗する原因
ファクタリングの利用で失敗する原因はさまざまです。
必要金額を調達できなかったり、想定外の損失を受けたりなどが考えられます。
失敗の原因を想定し、サービスの有効活用に役立ててください。
ファクタリングがうまくいかない原因として、代表的な6つを紹介します。
1.必要十分な金額を調達できない
2.利用頻度の多さで損失がかさむ
3.取引先との関係が悪化する
4.償還請求権により多額の請求を受ける
5.悪質業者にだまされる
6.審査に落ちて利用できない
1.必要十分な金額を調達できない
最初の失敗の原因は、必要十分な金額を調達できないことです。
ファクタリングの取引時は、手数料がともないます。
売掛金から差し引かれるので、企業の手取りが少なくなるのです。
ファクタリングの手数料は、企業によって異なります。
たとえば10%以内で済む業者もいれば、20%近くを請求する業者もいるでしょう。
手数料が高いと、売掛金からの差し引き額も大きくなり、調達額が減ります。
このような背景から必要十分な資金を得られず、経営状況がよくならない企業もあるのです。
2.利用頻度の多さで損失がかさむ
ファクタリングの失敗の原因として、利用頻度の多さも挙げられます。
売掛金の譲渡のたびに、手数料がかかるからです。
売掛金をファクタリングにかけず、取引先から直接支払ってもらえば、満額を得られます。
しかし業者に譲渡すると、早期に資金を得られる代わりに、手数料で手取りが少なくなるのです。
加えてファクタリングの買い取り額には掛け目があり、売掛金に対する一定の割合しか得られません。
掛け目と手数料によって、得られる金額が限られるのです。
以上から頻繁にファクタリングを利用すると、損失がかさんで利益を失います。
3.取引先との関係が悪化する
売掛金の取引先との関係悪化にも注意が必要です。
3社間ファクタリングを利用すると、こうした問題が起きやすいといえます。
3社間契約では企業とファクタリング業者だけでなく、売掛金の取引先の同意も得なければなりません。
ファクタリングを知らされた取引先は、自社の資金繰りの悪化を疑うことがあります。
以上から契約に同意しなかったり、取引を断ったりするかもしれません。
ビジネス上の関係を守るなら、企業と業者のみでの契約である2社間ファクタリングを利用してください。
4.償還請求権により多額の請求を受ける
償還請求権に基づいた金銭要求を受け、ファクタリングに失敗する企業もあります。
償還請求権とは、他社へ弁済を求める権利のひとつです。
債権に基づいた支払いを要する債務者が、期日までに決済しない限り、その時点の債権者は過去の債権者に未払い金を請求できます。
ファクタリングでは売掛金の譲渡を受けた業者が、債務不履行が起きたときに、譲渡した依頼企業の責任を求める形です。
多くのファクタリング業者は、償還請求権なしで契約します。
一方償還請求権ありの契約だと、取引先が支払い期日を破ったときに、弁済による損失を受けるかもしれません。
5.悪質業者にだまされる
悪質業者にだまされて、大きな損害を受ける企業もあります。
ファクタリングと言いながら異なるサービスを提供したり、法外なコストを請求したりなどで、企業に損害を与える業者がいるのです。
たとえば相場より高すぎる手数料を求める業者は、良質といえないでしょう。
またファクタリングと言いながら、契約後に返済を求める業者もいます。
本来のファクタリングには返済義務がないので、このような要求は違法の可能性があります。
実績や口コミ評価などに基づき、健全なファクタリング業者に依頼しましょう。
6.審査に落ちて利用できない
ファクタリングの審査に落ちて、資金調達に失敗する企業もあります。
売掛金の信頼性が不十分と判断され、契約を結べないからです。
大手企業や取引実績のある取引先など、信頼性の高い得意先の売掛金を用意すれば、審査落ちを防げるでしょう。
一方企業の問題で、審査に落ちるケースもあります。
たとえば個人事業主だと企業としての信頼性が低く、ファクタリングを利用できない可能性に要注意です。
また3社間契約で、取引先の同意を得られない場合も、売掛金を譲渡できません。
ファクタリングは早期の資金調達がメリットである一方、企業や取引先の問題で審査に通過できず、利用できないケースも見られます。
ファクタリングを有効活用するポイント5つ
ファクタリングの失敗を防ぐには、有効活用のポイントを覚えましょう。
コストが安く、信頼できる業者を見極めるなど、成功のコツを実践してください。
ここでは以下の5つのポイントを紹介します。
1.コストの安い業者を選ぶ
2.会社情報や実績を入念に確かめる
3.取引先との関係を守るなら2社間契約がおすすめ
4.償還請求権ありの業者は避ける
5.良質な売掛金を準備する
1.コストの安い業者を選ぶ
最初のポイントは、コストの安い業者を選ぶことです。
ファクタリングでまとまった資金を調達するには、手数料の安さや、掛け目の大きさが欠かせません。
たとえば手数料は3社間契約や、オンライン契約なら安くなるでしょう。
とくにオンラインは業者次第で、5%以下で済むかもしれません。
掛け目は90%に近い形が理想です。
ファクタリング業者の初回利用時や、取引実績に乏しい取引先の売掛金だと、掛け目が低くなるかもしれません。
信頼性が高く、ビジネス上の関係が長い取引先の売掛金を売るようにしてください。
同じファクタリング業者の利用歴があれば、企業への信頼度の高さから掛け目を大きくしてもらえるでしょう。
以上からコストの安い業者を選べば、失敗のリスクを抑えられます。
2.会社情報や実績を入念に確かめる
ファクタリングの失敗を防ぐには、依頼先の情報収集が欠かせません。
利用者の公式サイトや所在地、電話番号を見ておくと、悪質業者に引っかかるリスクを抑えられます。
悪質業者は公式サイトや会社情報を公開しないことがあります。
インターネットで営業の実態を確認できなければ、その業者の利用は控えましょう。
実績に関しては取引実績や累計買い取り額、運営年数などに注目してください。
以上の情報も、ファクタリング業者の公式サイトに示されています。
失敗を防ぐには、会社情報や実績が豊富な業者を選んでください。
3.取引先との関係を守るなら2社間契約がおすすめ
取引先との関係を守るなら、2社間ファクタリングがおすすめです。
特筆すべきメリットは、取引先に利用を知られないことです。
企業と業者だけで契約を結ぶため、取引先への周知はいりません。
企業は売掛金の譲渡後、取引先から本来の支払い金を受け取り、ファクタリング業者に渡せばよいのです。
以上で取引先との関係を守りつつ、手続きを完了させられます。
ビジネス上の関係を崩さず、スムーズに資金調達を済ませるなら、2社間契約を利用しましょう。
4.償還請求権ありの業者は避ける
ファクタリングの失敗を防ぐため、償還請求権ありの業者は避けましょう。
売掛金の譲渡は、ノンリコース契約が原則です。
業者は償還請求権がないため、売掛金が期日までに支払われない場合、企業は弁済義務を負いません。
一方償還請求権ありは貸金業にあたります。
売掛金の債務不履行があれば、業者が企業に代位弁済を求めるため、売掛金を担保にした融資ととらえられるのです。
取引先の債務不履行による損害を避けるなら、償還請求権なしで契約しましょう。
5.良質な売掛金を準備する
ファクタリングの審査に通過するには、良質な売掛金が欠かせません。
取引実績の長さや、売掛金の額の大きさ、取引先の健全さなどがポイントです。
たとえば大手企業や公的機関が取引先なら、その売掛金はファクタリングにかけやすいでしょう。
債務不履行のリスクが低く、健全と判断されるからです。
ほかにも企業と取引先の関係が長ければ、売掛金を買い取ってもらいやすいといえます。
以上を踏まえて、ファクタリングの利用時は健全な売掛金を準備してください。
ファクタリングで失敗しないために資金繰りの改善に取り組もう
ファクタリングで失敗しないために、資金繰りの見直しも大切です。
資金繰り表を作り、キャッシュフローを把握してください。
以上を踏まえて余分な支出があれば、すぐに切り詰めましょう。
また資金調達の方法は、ファクタリングだけではありません。
金融機関からの融資や助成金・補助金、不要資産の売却金など、できることをひととおり確かめましょう。
資金繰りを改善するなら、ファクタリングに頼りすぎず、ほかの方法も試してみてください。
ファクタリングの失敗の原因と対策のまとめ
ファクタリングの失敗の原因はさまざまです。
手数料により手取りが少なくなったり、悪質業者に引っかかったりなどが考えられます。
失敗を防ぐ対策として、手数料が低く、良心的な業者へ依頼しましょう。
ほかにも健全な売掛金の準備が欠かせません。
入念なリサーチと準備のうえ、優れた業者に売掛金を譲渡すれば、ファクタリングの失敗を防げるでしょう。