ファクタリングと補助金はどちらが有利?補助金との併用の可否なども解説
補助金を使いたいとき「ファクタリングと併用できるのか」と不安ではないでしょうか。すでにファクタリングを使っている場合は「補助金を併用して問題ないのか」と不安に感じることでしょう。
この記事ではファクタリングと補助金の併用の可否について分かりやすく説明します。ファクタリングと補助金の両方で資金調達したい場合はぜひ参考にしていただければと思います。
目次
ファクタリングと補助金の関係とは?
補助金を申請するときに気になるポイントのひとつが「他の資金調達方法と併用できるか」ではないでしょうか。補助金の申請には条件があります。
他の資金調達方法との併用は不可と条件で定められているなら、補助金を使うかファクタリングなど他の資金調達を使うか決めなければいけません。補助金とファクタリングなど他の資金調達方法が併用可能なら、両方使って資金調達できます。
ファクタリングと補助金の関係はどうなっているのでしょう。併用は可能なのでしょうか。
ファクタリング・補助金は併用できる
結論から言うと、ファクタリングと補助金の併用は可能です。
ファクタリングを使っているからといって、今あるいは今後の補助金申請に影響が出るわけではありません。また、補助金を申請したからといってファクタリングが使えなくなるわけでもありません。
ファクタリングと補助金は基本的に併用可能で、両方使って資金調達することも可能です。
ファクタリングにより補助金が受給しやすくなる
ファクタリングと補助金を資金調達方法として比較した場合、「ファクタリングがおすすめである」「補助金が有利である」など、どちらかが優れている資金調達方法というわけではありません。ファクタリングと補助金の併用が向くか、片方の活用が向くかはケースバイケースだと言えるでしょう。
ただ、補助金に関しては、ファクタリングを有効活用することにより受け取りやすくなるという特徴があります。補助金を受け取りたいなら、むしろファクタリングを併用し、補助金を受け取りやすくした方が良いと言えます。
補助金とは?メリットやデメリットなど
ファクタリングと補助金の併 用について説明を進める前に、まずは「補助金とは何か」など基本的なポイントについてお話しします。
補助金とは
補助金とは、国や自治体が行っている「会社や個人事業主の目的を補助するための支援制度」です。
補助金にはそれぞれ給付の目的や条件が定められており、個人事業主や会社が条件に合った補助金を申請することで、一定額の資金を受け取れる仕組みになっています。
ファクタリングなどと同じく、個人事業主・会社などの資金調達方法としてよく使われているのが補助金です。
補助金には2つの特徴があります。
まず、補助金を申請してお金を受け取っても返済する必要はありません。補助金は借り入れではなく、目的のための補助として国などからもらえるお金です。
補助金にはもうひとつ、お金を受け取るためには申請手続きが必要であるという特徴があります。
補助金を申請する手順
補助金を受け取 るためには次のような手続きが必要になります。
・補助金の申請条件や必要書類などを確認する
・必要書類をそろえ、補助金の申請条件に沿った申し込みを行う
・国や自治体などが補助金の審査を行う
・補助金交付の交付を決定する
・会社や個人事業主が補助金を受け取る
この補助金申請・交付の手順はあくまで基本的な流れであり、簡略化したものです。本来の補助金申請はさらに細かく、事前に窓口への相談などを行うことも少なくありません。また、補助金の申請には専門的な知識と実務的な知識を要することから、行政書士などに申請を依頼することもあります 。
補助金を申請してから給付までは、2カ月から1年ほど かかることがあります。申請から受け取りまでに時間がかかることも補助金の特徴です。
補助金を受け取るメリット
補助金を受け取っても「返済不要」というメリットがあります。
金融機関の融資などは、借り入れの後に計画を立てて返済しなければいけません。しかし、補助金は受け取っても融資などのような借り入れではないため、返す必要はないのです。
なお、ファクタリングの場合は債権がないと資金調達できません。資金調達の前提として、会社・個人事業主が持っている売掛金などの債権が必要になるのがファクタリングです。
補助金の申請にあたっては、ファクタリングのように債権が必要になることもありません。補助金の目的・条件に合致していれば申請が可能です。
補助金を受け取るデメリット
補助金には「手間と時間がかかる」というデメリットがあります。
補助金を申請するためには自治体や国が指定している必要書類を準備し、指定した流れに沿って申請しなければいけません。一般的に補助金の申請手続きは難解で、必要書類の準備や手続きには時間がかかります。
また、手続きを済ませたからといって、即お金を受け取れるわけでもありません。給付までさらに月単位、あるいは年単位の時間が必要になります。
補助金は「今、お金が必要だ」というときに使える資金調達方法ではありません。迅速な資金調達ができるとはお世辞にも言えない方法です。使える補助金があっても、「使えるお金を即座に受け取れるわけではない」と理解して使う必要があります。
補助金と助成金の違いとは
補助金と勘違い されがちな制度に「助成金」があります。また、「給付金」なども補助金と混同されがちだと言えるでしょう。補助金・助成金・給付金は何が違うのでしょうか。
補助金と助成金、給付金はお金を受け取れる(資金調達できる)という点では同じです。どれも返済不要という点で同じになっています。
補助金や助成金、給付金の大きな違いは、お金を受け取るための難易度です。
助成金や給付金は原則的に条件を満たしていれば基本的に受け取れます。お金を受け取るための難易度が低いのです。
対して補助金は、審査があり、必ずお金を受け取れるとは限りません。補助金に10社申し込んだとしても、そのうち4~6社くらいしか給付を受けられないと言われています。審査の通過率は4割~6割なので、補助金による資金調達は難易度が高い のです。
補助金申請の準備をしても、実際は「給付を受けられない」という結果になることも珍しくありません。
ファクタリングとは?メリットやデメリットなど
効果的な資金調達 を行うためにはファクタリングの基礎知識も重要です。ファクタリングのサービス内容やメリット、デメリットなどについて説明します。
ファクタリングとは
ファクタリングとは債権を使った資金化・保証のサービスです。
ファクタリングには買取型と保証型があり、資金調達に使われるのは主に前者の買取型になります。一般的に「ファクタリング」と言った場合、資金調達に使われる買取型を指していることが多いと言えるでしょう。
買取型ファクタリングとは、債権をファクタリング会社の売ることで、支払い日前の債権を資金にするサービスです。会社が100万円の売掛債権を持っていたら、この債権をファクタリング会社に売って現金にするわけです。これが資金調達によく使われる買取型ファクタリングになります。
保証型ファクタリングは、取引先の倒産など債権の回収が困難な事態が起きたらファクタリング会社から保証金が支払われるタイプのサービスです。保証型ファクタリングは会社や取引のリスク対策によく使われます。
ファクタリングは会社や個人事業主の資金調達によく使われるからこそ、補助金との併用が問題になります。
ファクタリングで債権を資金化する手順
ファクタリングで債権をお金に換えるときは、次のような手順で進めます。
・ファクタリング会社を選ぶ
・ファクタリング会社に債権の買取を申し込む
・ファクタリング会社の審査を受ける
・ファクタリング会社が債権の買取条件を提示する
・ファクタリングの契約を結ぶ
・ファクタリング会社が債権を買い取り、申込者は資金を受け取る
ファクタリング会社によって対応している債権や申し込み時の条件が違っています。また、ファクタリング会社によって資金化までのスピードも違います。
申し込み前に各社の対象債権・申し込み条件・資金化スピードを確認し、比較した上での会社選びがおすすめです。
ファクタリングのメリット
資金調達に活用できる買取型ファクタリングには4つのメリットがあります。
・ファクタリングは資金が必要なときにすぐ資金調達できる
・ファクタリングは売りたい債権だけ売れば資金調達額を調整できる
・ファクタリングは債権の売買なので負債にはならない
・ファクタリングによる資金調達は補助金ほど厳しくない
ファクタリングのメリットの中で特に注目したいのが「資金が必要なときにすぐ資金調達できる」というメリットです。補助金による資金調達は時間がかかります。ファクタリングなら、早い会社だと即日対応も可能です。
ファクタリングの「すぐに使える」「すぐに資金調達が完了する」というメリットは、資金調達方法としての大きな強みだと言えるでしょう。
また、補助金を受け取る審査は極めて厳しく、審査通過率はときに4割ほどになります。10社申し込んでも6社は審査落ちする計算です。
ファクタリングは基本的にここまで審査が厳しくありません。ファクタリング会社は事業・営利目的でやっていますから、利用の条件を満たしていれば積極的に債権を買ってくれます。ファクタリングの方が資金調達しやすい方法だと言えます。
ファクタリングのデメリット
ファクタリングのデメリットは「債権がないと使えないこと」と「手数料がかかること」です。
ファクタリングは債権を資金化する方法なので、売掛債権など資金化に使える債権がないと資金調達できません。加えて、ファクタリング会社に債権の資金化を依頼すると、債権額や債権の内容などに応じた手数料が必要になります。
ファクタリングと銀行融資の違い
資金調達の際はファクタリングと補助金の併用も問題になりますが、他にも融資とファクタリングの併用の可否なども問題になります。
ファクタリングは債権の売買なので借り入れではありません。
ファクタリングには債権を売却しても負債にはならないという特徴があります。対して金融機関の融資は借り入れです。売買ではありません。
ファクタリングと金融機関の融資の併用はもちろん問題ありません。
ただ、ファクタリングの際はファクタリング会社の、融資の際は申し込み先金融機関の審査を受けることになります。併用自体は問題ありませんが、実際に併用できるかどうかは別問題です。審査落ちなどの理由から併用が難しいこともあります。
ファクタリングで補助金の受け取りがさらに有利になる
ファクタリング と補助金は併用が可能であるだけでなく、相互を助け合う関係でもあります。具体的には、ファクタリングを使うことで補助金を受け取りやすくなります。
資金繰りや経営を改善することで企業評価を上げられる
補助金の申請をする際に会社の経営状態が悪いとマイナス評価になってしまいます。せっかくお金を給付しても会社がすぐに倒産しては意味がないからです。
ファクタリングを有効活用して資金繰りや経営状態を改善することで、補助金が受け取りやすくなります。ファクタリングを有効活用して会社をより良い状態にしておくことをおすすめします。
経営状態や資金繰りに難があるときは、ファクタリングが改善策として有効です。
ファクタリングで税金の滞納などにも対処できる
補助金は税金を滞納している場合は申し込めないことが基本 です。仮に申し込みができたとしても、税金の滞納により会社・個人事業主の評価は下がってしまうと考えた方が良いでしょう。
ファクタリングは税金を滞納しているときも使える資金調達方法です。税金滞納で申し込めない、あるいは評価が下がるなどのデメリットを解消するためにも、ファクタリングを使って滞納した税金を納めておくことをおすすめします。
税金や支払いを滞納しているときはファクタリングが打開策になります。
ファクタリングで補助金受取前の自己資金を確保できる
補助金を申請しても受け取るまでにはかなりの時間がかかります。受け取りまでの資金が問題になります。
ファクタリングは債権さえあれば資金調達できる方法です。ファクタリングで債権を適宜お金にして、自己資金を確保してはいかがでしょう。
ファクタリングは迅速に資金調達できるので、自己資金の確保や急ぎの資金調達に向く方法です。
ファクタリングと補助金はどちらが有利?補助金との併用の可否のまとめ
ファクタリングは補助金と併用可能です。また、ファクタリングを使うことで、補助金の申請時・受け取りで有利になる可能性もあります。
ファクタリングは債権を使った資金調達方法です。債権とファクタリングを使って申請時の状況をより良くすると共に、効果的な資金調達を行ってはいかがでしょう。