ファクタリングの手数料の計算方法は?割引率の相場や費用なども解説
ファクタリングの利用には手数料がかかります。
ファクタリングの手数料は「利用時に一律100円」など定額で決まっているわけではありません。ファクタリングの手数料には計算方法があり、利用ケースに応じて算出されるのが基本です。
ファクタリングの手数料はどのような計算方法で算出されるのでしょうか。ファクタリングの手数料の計算方法や相場、手数料を抑えるコツについて解説します。
目次
ファクタリングには手数料がかかる
ファクタリングで債権を資金化するためには手数料がかかります。手数料は利用を申し込んだ先のファクタリング会社が申し込みの内容に応じて算出します。
ファクタリングで債権を資金化するときは、
・ファクタリングでは手数料がかかること
・手数料は計算方法とケースに応じて算出されること
・手数料が必要になるため、債権額の満額は受け取れないこと
以上の3つのポイントを理解しておく必要があります。
手数料と割引率はほぼ同じ意味である
ファクタリングでは手数料の他に「割引率」という言葉が出てくることがあります。
手数料と割引率が同時に使われており「手数料の他に割引率という料金がかかるのだろうか」と混乱する方もいらっしゃるようです。
ファクタリングでは、手数料と割引率という言葉はほぼ同じ意味で使われています。手数料の他に割引率という言葉が出てきたときは手数料のことだと考えて差し支えありません。
ファクタリングの手数料が「割引率」と呼ばれる理由
割引率と手数料を同時に使われてしまうとややこしいと感じるかもしれません。意味に違いがないのなら「手数料で統一すればいいのではないか」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ファクタリングの手数料が割引率とも呼ばれるのは手形取引が関係しているからです。
手形を期日前に資金化するサービス「手形割引」では手数料のことを割引率と言います。ファクタリングは債権を支払い日前に資金化するという点で手形割引に似ているサービスです。また、会社などが資金調達方法としてよく利用するという点でも似ています。
手形割引では手数料が割引料なので、似たサービスであるファクタリングでも手数料の他に割引料という言葉が使われることがあるわけです。
ファクタリングで割引料や割引という言葉が出てきた場合は、基本的に手数料と同義に考えて問題ありません。
計算方法の前に!ファクタリングとは?
ファクタリングとは債権の譲渡・売却・保証のサービスです。会社や個人事業主などが持っている売掛金(売掛債権)などをファクタリング会社に売ることで売却金を得るサービス全般をファクタリングと呼びます。
債権の資金化サービスがファクタリングです。
買取型ファクタリングと保証型ファクタリング
ファクタリングには大きく分けて「買取型」と「保証型」の2つのタイプがあります。
買取型ファクタリングとは、売掛金などの債権をファクタリングに売却するタイプのサービスです。ファクタリング会社が債権を買い取り、申込者である会社や個人事業主などに売却金を支払います。会社などの資金調達方法としてよく使われるのがこの買取型です。
保証型ファクタリングとは、会社などの持っている債権の回収が難しいときに保証金が支払われるタイプのサービスです。
会社は取引先から債権を回収できないと経営や資金繰りに打撃を受けます。最悪の場合は倒産する可能性も考えられます。取引先の倒産などで債権回収が難しくなったときに保証金を受け取ることで自社への影響を抑えるサービスが保証型ファクタリングです。
買取型・保証型のどちらを利用する場合でも、計算方法により算出された手数料などの費用負担が発生します。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリング
買取型で債権を売買するときは「2社間」と「3社間」という2つの方法があります。
2社間ファクタリングとは、会社や個人事業主などの申込者とファクタリング会社で債権を売買する方法です。申込者がファクタリング会社に債権の売買を申し込み、以降はファクタリング会社と申込者がやり取りしながら債権を資金化します。
3社間ファクタリングとは、会社や個人事業主などの申込者と取引先、ファクタリング会社で債権を資金化する方法です。
3社間ファクタリングでも申込者がファクタリング会社に申し込むという流れは同じですが、手続きの中で取引先の承諾を受けるという点で違いがあります。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでは、計算方法により算出される手数料の相場が違ってきます。
ファクタリングで注意すべき手数料や費用
はじめてファクタリングを利用する方は特に勘違いしがちですが、ファクタリングによる債権の資金化では債権額そのものを受け取れるわけではありません。
たとえば、取引先との100万円売掛債権を資金化するとします。取引先から支払いを受ける場合は債権額である100万円を受け取れますが、支払い日前にファクタリングで債権を売却する場合は債権額である100万円を受け取ることはできません。計算方法により算出された手数料を負担しなければならないからです。
ファクタリングで実際に調達できる額は債権額から計算方法で算出した手数料を差し引いた額になります。債権額と調達額に違いが出ますので、資金調達の際は注意してください。
ファクタリングの手数料の計算方法と相場
ファクタリング利用に必要な手数料・手数料の計算方法・費用などを抑えておくことで、実際に調達できる資金額を把握しやすくなります。
手数料の計算方法や相場について説明します。
計算方法によって個別に手数料を算出する
ファクタリングの手数料は「〇%~〇%」などで表示しているのが基本です。
ファクタリングでは個別の申し込みケースに応じて手数料を算出する計算方法を採用しています。
ファクタリングの手数料の計算方法
ファクタリングの手数料は個別ケースによって適用される手数料の%が異なります。手数料の計算方法では、その申し込みに適用される「%」を使って具体的な手数料額を算出する仕組みです。
たとえば、100万円の売掛債権を売却するとします。手数料を10%~20%と表示しているファクタリング会社に申し込むと、会社側から「手数料は10%になる」と言われました。この場合の計算方法は100万円の10%ですから、具体的な手数料額は10万円になります。
ファクタリングには消費税はかからない
ファクタリングは非課税取引になっているため消費税がかかりません。ファクタリングの手数料についても消費税の課税対象外です。したがって、ファクタリングの手数料の計算方法では、消費税を考慮する必要はありません。
ファクタリングの手数料の相場
手数料相場はファクタリングの方法によって異なります。一般的に3社間ファクタリングの方が手数料相場は低くなっています。
同じ債権を売った場合でも2社間より計算方法で算出される手数料額が低くなる可能性が高いと言えるでしょう。
・2社間ファクタリングの手数料相場 / 10%~20%
・3社間ファクタリングの手数料相場 / 5%~10%
ファクタリングの買取率の相場
ファクタリング会社によっては債権額に買取率(掛け目)によって債権額を減額しての買い取りになります。
ファクタリングでは債権が回収不能になったときにファクタリング会社側がリスクを負うため、リスク対策として減額しての買取(買取率の計算方法で算出した額での買い取り)を行うことがあるわけです。
ファクタリングの買取率の相場は債権額の7割~9割になっています。
手数料や買取率など計算方法が複雑で調達額の予想が難しいという場合は、ファクタリング会社に見積もりを出してもらい、説明を受けることをおすすめします。
ファクタリングで計算方法に関わる費用
ファクタリングで最終的に調達できる額には手続きにかかる費用も関係してきます。計算方法に影響を与える可能性がある費用は次の通りです。
印紙代
ファクタリングでは契約書に印紙を貼り付ける必要があるため、200円印紙代がかかります。
ファクタリング手続きの印紙代は手数料に含まれることがあります。
出張交通費
ファクタリング会社のスタッフが債権の買取手続きのために出張する必要があれば、出張費が関係してくることがあります。
たとえば、東京都のファクタリング会社のスタッフが宮城県まで出張して会社の経理(あるいは経営者など)と面談するような場合は東京から宮城までの出張費が手数料の計算方法に関係してくることがあります。
債権譲渡登記の費用
ファクタリングでは債権譲渡登記が必要になるケースがあります。
ファクタリング会社側から債権譲渡登記を求められた場合は、司法書士報酬や登録免許税などの登記に関する費用が必要です。
なお、ファクタリングの利用において債権譲渡登記は必須ではありません。あくまで登記が必要になった場合の費用です。
振込手数料
ファクタリングで債権を資金化した際は、その分が口座振り込みになります。
申込者の口座に資金化分を振り込む際に振込手数料がかかります。振込手数料も計算方法に関係してくるポイントです。
基本的なファクタリングの手数料
ファクタリングの利用には基本的な手数料がかかります。手数料の計算方法で関係してくるのは手続きにまつわる費用だけではありません。基本的な手数料がかかる点も忘れないでください。
ファクタリングの計算方法に影響する要素
ファクタリングの手数料は次のような要素で変動します。
手数料の計算方法にも関係してくる要素です。
申込者と取引先の信用度
申込者と取引先の信用はファクタリングの手数料計算に関わってきます。信用が高い方が債権の回収不能リスク、つまりファクタリング会社が損失を被るリスクも低くなりますから、計算方法で算出される手数料も低くなる傾向にあるのです。
なお、ファクタリングでは取引先の信用が重視されます。債権の支払いを行うのは取引先だからです。
ファクタリングの種類
ファクタリングの方法(種類)も手数料に関係するポイントです。
3社間ファクタリングによる債権の資金化は取引先の承諾を得て行います。そのため、ファクタリング会社は「債権トラブルのリスクが低い」と考えて手数料相場を低く設定しているのです。
ファクタリングの種類によって計算方法で算出される手数料額も変わってきます。
債権の内容や支払い期日
債権の内容や支払い期日も手数料・手数料を算出する計算方法に影響するポイントです。
債権内容のリスクが低ければ、ファクタリング会社は安心して買取できます。また、支払い期日が近ければ、回収時に取引先が倒産していたなどの回収におけるリスクも低くなります。リスクが低くなることで、手数料・手数料計算で有利になる可能性があるのです。
ファクタリングに使う債権の額
高額の債権に高い手数料率を適用すると莫大な手数料額になる可能性があります。債権が高額になるほど低い手数料率を使うなど、計算方法が工夫されています。
ファクタリングの計算方法で手数料を抑えるコツ
ファクタリングを利用側はやはり「手数料を抑えたい」と思うことでしょう。計算方法で手数料を抑えるためにはコツがあります。
・ファクタリング会社から見積もりを取って比較する
・見積もりの金額の計算方法について尋ねる
・同じファクタリング会社を使って信用を得る
ファクタリング会社によっても計算方法に使う手数料率が変わります。結果、計算方法によって算出される手数料も違ってくるため、見積もりを取得して会社を比較することがコツです。
見積もりを取得したときは余計な費用が加算されていないか、手数料の計算方法はどうなっているかなどもファクタリング会社に確認しておきましょう。
はじめて利用するファクタリング会社とでは信頼関係が出来上がっていません。そのため、リスク対策として手数料を高くなることも珍しくないのです。手数料を抑えたいなら同じファクタリング会社を使い続けるなど、信頼関係を築くこともコツになります。
ファクタリングの手数料の計算方法は?割引率の相場や費用などのまとめ
ファクタリングの手数料の計算方法は、ファクタリング会社が公開している「〇%~〇%」などの手数料率を使って計算します。ただ、単純にこの手数料率で計算すればいいわけではありません。費用や買取率なども関係してきますので注意してください。
ファクタリングの手数料は調達額にも関係してくる重要ポイントです。計算方法など分からないことがあれば、ファクタリング