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ファクタリングに利率の概念はない!手数料を年利換算するとどれくらい?

本記事ではファクタリングの利率について詳しく解説していきます。
これからファクタリングを利用する方は、資金調達のためにも本記事を読んでぜひご参考にしてみてください。

ファクタリングは売掛金を売却し、資金調達できます。

融資や債券といった資金調達方法では利率があることから、ファクタリングの利率が気になる方もいるでしょう。

結論から言うと、ファクタリングに利率の概念はありません。

本記事では、ファクタリングに利率の概念がない理由と手数料について解説します。

手数料についての理解を深め、上手に活用できるようにしましょう。

ファクタリングで利率は考えなくていい

ファクタリングには金利がないため、利率を考える必要はありません。

ただし、利率の概念がない代わりに手数料が発生し、手数料がファクタリング会社の利益となります。

ファクタリングに金利が発生しない理由

ファクタリングに金利が発生しない理由は取引内容が売掛金の売買であるためです。

そもそもですが、金利は借り手が貸し手に支払う利子のことを指します。

つまり、利率という概念はお金の貸し借りがないと成立しません。

そのため、売掛金の売却であるファクタリングには金利が発生しない、ということになります。

金利ではなく手数料が発生する

ファクタリングでは金利の代わりに手数料が発生します。

100万円の売掛金を10%の手数料で売却する場合、利用者は90万円受け取り、残りの10万円はファクタリング会社の手元に残ります。

手数料の内訳は主に以下の3つです。

1.基本手数料
2.登記費用
3.事務手数料

基本手数料はファクタリング会社の利益となる部分です。

ファクタリング会社は売掛金を回収できないリスクを抱えるため、正当な報酬と考えられます。

登記費用は債権譲渡登記にかかる費用です。

売掛金の二重譲渡を防ぐために、場合によっては契約時に債権譲渡登記をします。

登記には登録免許税や司法書士への報酬が発生し、手数料に含まれることが多いです。

事務手数料はファクタリング契約を結ぶ際に発生する費用です。

ファクタリングの手数料相場

手数料は利用する各業者によって異なります。

金利における利息制限法のような法律による制限がないため、ファクタリング会社が自由に設定できます。

相場とされている手数料よりも著しく高い数字を提示するファクタリング会社も存在するため注意が必要です。

必要以上の手数料を負担しないように、ファクタリングの手数料の相場についてみていきましょう。

2社間ファクタリングの手数料相場

2社間ファクタリングの手数料の相場は10〜30%とされています。

2社間ファクタリングは利用者とファクタリング会社の2社(2者)の契約です。

利用者側からすると売掛先にファクタリングの利用を知られない点がメリットです。

ファクタリングの利用を知られると、資金繰りが苦しいのかなという印象を持たれてしまう可能性があるため、今後の取引に悪影響が出る懸念があります。

一方で、ファクタリング会社からすると売掛金の未回収リスクが高いため、手数料を高く設定します。

売掛先が契約に関与しないため、架空の売掛金であるリスクや利用者が入金された売掛金を使い込むリスクなどがあるためです。

3社間ファクタリングの手数料相場

3社間ファクタリングの手数料の相場は1〜9%とされています。

3社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社に加えて、売掛先も契約に関わります。

契約には売掛先の同意が必要です。

2社間ファクタリングとは異なり、ファクタリング会社は売掛先から直接売掛金を回収するため、利用者が入金された売掛金を使い込むリスクがなくなります。

加えて、売掛先に売掛金の存在を直接確認できるため、架空の売掛金が使用されるリスクが小さくなります。

このような理由から、ファクタリング会社にとってリスクが小さい契約となるため、2社間ファクタリングと比較して、3社間ファクタリングの手数料は割安です。

ファクタリング手数料を年利換算するとどれくらい?

他の資金調達の手段と比較するために、ファクタリングの手数料を年利換算してみます。
融資や債券の金利は基本的に「年利」で表示されているためです。

利用者が売掛金を現金化してから、入金された売掛金を送金するまでの期間を1ヶ月とすると、ファクタリングは「月利」と考えられます。

月利を12倍すると年利を求められるので、ファクタリングの手数料相場を12倍して、年利換算します。

ファクタリングの年利は以下の通りです。

・2社間ファクタリング:年120%〜240%
・3社間ファクタリング:年12%〜108%

比較するために、利息制限法による上限金利を記載します。

・元本が20万円未満:年20%
・元本が20万円以上100万円未満:年18%
・元本が100万円以上:年15%

あくまで上限金利であるため、融資を受ける際に適用される金利は上限金利よりも低い場合が多い傾向にあります。

日本政策金融公庫であれば1%台の金利で借りられる場合もあり、民間の金融機関であっても10%未満の金利で借りられる場合もあります。

このように比較すると、ファクタリングの手数料の高さが分かるでしょう。

ファクタリング手数料が決まるポイント

次にファクタリング手数料が決まるポイントについて解説します。

ポイントは以下の6点です。

・取引方法
・売掛先の信用度
・利用者の信用度
・売掛金の金額
・売掛金の支払サイト
・ファクタリングの利用実績

最終的にはファクタリング会社の独自判断で決まりますが、ポイントを押さえることで手数料を少しでも低くできる可能性があります。

それぞれ解説していきます。

取引方法

先ほども解説した通り、取引方法によって手数料は変わります。

利用者からすると、手数料だけ考えた場合は3社間ファクタリングの方が適しています。

しかし、取引先にファクタリングの利用を知られてしまう点、現金化までに時間がかかってしまう点などがデメリットです。

2社間ファクタリングの場合、利用者とファクタリング会社のみの契約なため、現金化までにかかる時間が短めです。

最短即日で売掛金を売却できるファクタリング会社もあります。

売掛先の信用度

売掛先の信用度が高いと、ファクタリングの手数料を抑えられます。

ファクタリング会社にとって売掛先の信用度はとても重要です。

期日までに倒産してしまったり、売掛金を入金せずに夜逃げしてしまったりすると、ファクタリング会社の損失となってしまうためです。

そのため、ファクタリング会社にとって売掛先の信用度はとても重要な要素になっています。

利用者の信用度

利用者の信用度も大切です。

ファクタリングは利用者が赤字決算や債務超過であっても利用できます。

とはいえ、あまりにも利用者の信用度が低い場合、手数料が高くなったり、利用を断られたりする可能性があります。

2社間ファクタリングでは、利用者が売掛先から入金された売掛金をファクタリング会社に送金することで、ファクタリング会社は売掛金を回収する仕組みであるためです。

信用度が低すぎる場合、売掛先から入金された売掛金を使い込まれるリスクが高いと考えられるため、ファクタリング会社は手数料を高くし補完します。

売掛金の金額

売掛金の金額によっても手数料は変わります。

ファクタリング会社の手間やコストは、売掛金の金額が変わってもそこまで大きく変わらないためです。

そのため、売掛金の金額が大きいほど利益率が高くなるので、ファクタリング会社は手数料を低くできます。

たとえば、100万円の売掛金を手数料10%で買い取った際、得られる手数料は10万円です。

500万円の売掛金を手数料8%で買い取った際は40万円得られます。

契約にかかる手間やコストがそこまで大きく変わらない場合、手数料を低くしても十分な利益を確保できるため、売掛金の金額によっても手数料が変わります。

売掛金の支払サイト

売掛金の支払サイトも手数料を決める要因となります。

ファクタリング会社にとって避けたいのは売掛先の倒産や資金難による売掛金を回収できないリスクです。

売掛金の期日までの期間が長くなると、企業の経営が悪化するリスクが高くなると考えられます。

ファクタリング会社にとって支払サイトは売掛金を回収できないリスクにつながるため、手数料が決まるポイントとなります。

ファクタリングの利用実績

ファクタリングの利用実績があると、利用者の信用度が上がり手数料を下げやすくなります。

利用実績は入金された売掛金をファクタリング会社に送金した証明であるため、安心できる材料となります。

そのため、初回利用時よりも、2回目以降の利用時や他社に乗り換える際の方が手数料が低くなりやすいです。

他社に乗り換える際に利用実績を示せると手数料を抑えられる可能性があります。

利率が生じないファクタリングのメリット

 
利率が生じないファクタリングの主なメリットは、下記の3つです。

・返済が必要ない
・負債が増えない
・信用情報を傷つけない

債権売買であるファクタリングは、融資と仕組みが大きく異なります。

メジャーな資金調達方法の銀行融資ではなく、あえてファクタリングを利用するメリットをそれぞれ紹介します。

返済が必要ない

 
ファクタリングは借入ではないため、返済が必要ありません。

正確には、ファクタリング会社へ売掛金を支払う必要はあるものの、融資の返済とは異なります。

金利が発生しませんので、返済総額が増えることはありませんし、毎月の支払いが生じるわけでもありません。

返済が生じる銀行融資の場合、少額とは言え毎月の支払いが資金繰りを圧迫する場合もあるでしょう。

また、長期期間借入すると、返済総額が膨らみ、資金不足を招く可能性もあります。

一方で、ファクタリングには返済がなく、仮に売掛先が倒産しても基本的に利用者は弁済義務を課せられることはありません。

負債が増えない

ファクタリングは負債が増えない点も大きなメリットです。

銀行融資を受けると、手元の資金は増えますが、同時に負債も増えてしまいます。

負債が多すぎると投資家や金融機関の評価が下がりますし、多額の資金調達がしにくくなります。

一方で、ファクタリングは負債を増やさず資金調達できますので、オフバランス化が可能です。

経営状況を良好に見せられますので、将来的な調達に悪影響を及ぼしにくいと言えます。

信用情報を傷つけない

ファクタリングを利用しても信用情報を傷付けません。

借金をすると、返済が滞ったり、債務整理をおこなったりすると信用情報に事故情報が登録されるブラックリスト状態となります。

ブラックリスト状態になると、3〜10年は新たな借入ができず、信用取引もできなくなります。

一方で、ファクタリングは借入ではありませんので、信用情報とは無関係と言えます。

利用時も信用情報を照会されることはありませんので、仮にブラックリスト状態であっても十分に審査に通過する可能性があるのです。

利率が生じないファクタリングのデメリット

 
メリットが多いファクタリングですが、一方で下記のようなデメリットも存在します。

・手数料が割高
・売掛金の金額までしか資金調達できない
・一括払いが必要

メリットだけでなく、デメリットも理解したうえで、利用すべきか検討してみてください。

手数料が割高

 
ファクタリング手数料は融資の金利に比べて割高です。

数値だけで言うと、ファクタリング手数料2〜10%は消費者金融の金利15〜20%に比べて低く感じます。

しかし、年利換算するとファクタリング手数料2〜10%は年利24〜120%と非常に高いことが分かります。

ファクタリングはあくまで短気的な利用に向いている資金調達方法です。

長期的に利用したり、依存してしまったりするとかえって資金繰りが悪化する恐れがあるため注意が必要です。

売掛金の金額までしか資金調達できない

ファクタリングで得られるお金は、売掛金の金額までです。

つまり、保有する売掛金が100万円ならMAX100万円までしか資金調達できません。

当然、手数料分が引かれますので満額での現金化は不可能です。

融資の場合、自己資金の何倍もの資金調達も可能ですが、ファクタリングの資金調達には限界があります。

なお、複数の売掛金を合わせて1社のファクタリング会社に売却できますので、ファクタリングでも多額の資金調達が実現可能です。

ただし、各ファクタリング会社で買取限度額は決まっていますので、希望する金額に対応している業者を選ぶ必要があります。

一括払いが必要

融資は基本的に分割払いで返済しますが、ファクタリングでは一括払いが原則です。

2社間ファクタリングの場合、売掛先から受け取った売掛金をすぐにファクタリング会社へそのまま送金しなければなりません。

資金難で売掛金に手を出してしまった場合、直ちにファクタリング会社へ相談しましょう。

誠実な対応を取れば、支払期日を延ばしてもらえる可能性もあります。

なお、3社間ファクタリングの場合は売掛先がファクタリング会社へ売掛金を支払うため、利用者が支払いを心配する必要はありません。

まとめ:ファクタリングでは利率ではなく手数料を意識しよう

本記事では、ファクタリングに利率の概念がない理由と手数料について解説しました。

ファクタリングは売掛金の売買であるため、利率の概念はありません。

代わりに売掛金の一部を手数料としてファクタリング会社に支払います。

手数料は2社間ファクタリングで10〜20%ほど、3社間ファクタリングで2〜9%ほどとされています。

とはいえ、ファクタリングの手数料は年利換算すると、12%〜240%と考えられ、融資の利率と比較すると非常に割高です。

ファクタリングの手数料は資金調達のコストとしては高い部類に入るため、提示された手数料が相場から離れすぎていないか、しっかりと確認しましょう。

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