ファクタリングの仮審査とは?本審査との違い・必要書類・NGの理由もご紹介
ファクタリングには仮審査がありますが、どのような審査でしょうか。
この記事では仮審査で聞かれることや本審査との違い、仮審査や本審査で必要な書類の他、審査がNGになる理由について、取り上げます。
ファクタリングの審査が気になる方は参考にしてください。
目次
ファクタリングの仮審査とは
ファクタリングには仮審査があり、申し込み後に行われます。ここでは、仮審査がどのようなタイミングで行われるか、どんなことを聞かれるか説明します。
仮審査は申し込みの後
仮審査は本審査の前に行われる審査で、申し込み後に実施されます。
ファクタリングを行いたいと思ったら、まずはファクタリグ会社を探して申し込みます。ファクタリング会社によっても異なりますが、電話やWebフォームからの申込みが多いでしょう。ただ、最近はLINEで申し込めるファクタリング会社も存在します。
たいていファクタリング会社は申し込み後30分から1時間くらいに連絡がある場合が多いです。その後に行われるのが仮審査です。
仮審査で聞かれること
仮審査で聞かれるのは、ファクタリングを利用したい人や会社のこと、売掛先のことです。本当に存在するのか、どのような希望があるのかなど、本審査の前段階として聞かれます。すべて誠実に答えるようにしましょう。
主に聞かれる内容を下記に挙げます。
会社名
会社の規模・資本金・業種
売上規模
ファクタリングについて(希望額や希望入金時期など)
売掛会社や売掛金の金額
ファクタリングで得た売掛金をどのようなことに使用するか
ただし、オンラインファクタリングの場合は、仮審査が省略されることもあります。
ファクタリングの仮審査と本審査の違い
ファクタリングの仮審査を終えると次は本審査に進みます。ここでは、仮審査と本審査の異なる部分をピックアップしながら説明していきます。
仮審査よりも本審査の方が本格的な内容
本審査は仮審査よりも本格的に行われる審査です。ヒアリングする情報の真実がわかる書類などが求められるところが仮審査とは異なるでしょう。仮審査よりもより踏み込んだ書類が必要になることも覚えておいてください。
本審査の期間はファクタリング会社によって多少の違いはありますが、2社間ファクタリングの場合は即日から3日くらいです。必要書類を予め用意しておくとスムーズに終わる可能性があります。
本審査では信用度が重要視される
本審査は仮審査とは異なり、信用度が重視されます。ファクタリング審査でもっとも重要なところは、売掛金の支払をする取引先の信用度です。
まず行われる審査は「登記情報提供サービス」で以下のことを確認します。
ファクタリング利用者・取引先の代表者名
取引先の所在地などが申込み内容と同じものかチェック
会社が間違いなく実在しているか確認する
売掛債権を他のファクタリング会社に譲渡していないか→二重譲渡の危険をチェック
本審査では信用度評価の点数がつけられる
ファクタリング会社によって違いはありますが、本審査は調査会社による審査も行われ、点数もつけられます。この点も仮審査とは異なるところと考えられます。
本審査で付ける点数は以下の内容を調査した結果です。
決算書
事業内容
借入状況
経営状況
これらに以下のような点数をつけられます。
業績:1~5点
基本構成:0~12点
規模:2~19点
資本現況0~20点
経営者:1~15点
企業活力:4~19点
これらの信用度は点数によりランク付けされます。以下は点数によるランク付けです。
Aランク:86〜100点
Bランク:66〜85点C
Cランク:51〜65点
Dランク:36〜50点
Eランク:35点以下
これらのランクによって、手数料や買取可否を決める参考にしていると考えられます。たとえば、中小企業はCランク以上が望ましいとしている場合があります。また、40点より下の点数になったら、回収リスクが高くなるとされ、手数料が高くなる可能性も考えられるでしょう。
ただし、企業によって異なるので一つの目安としてお考えください。
本審査は経営者の人柄もチェック
本審査では経営者の人柄も見られるという、仮審査にはない審査内容が存在します。経営者を見ることで今後、ファクタリングによって再建できる企業かどうかも見極めることになります。本審査で経営者の良さが認められれば、たとえマイナス要素があっても回復の兆しがあると判断されるでしょう。
このように経営者を重要視するのは、ファクタリング会社もさまざまなリスクを負っているからです。たとえば、悪質な企業であれば、ファクタリング会社が支払った売掛金を使い込んでしまうことも考えられます。しかし、きちんとした経営者のいる会社であれば、そのようなリスクは回避できると判断されるのでしょう。
また、本審査のヒアリングで虚偽の内容を話したり、書類を偽造したりするのも、信用がなくなるので厳禁です。信頼関係を築くには嘘をつかない誠実な態度が大事です。
ファクタリングの仮審査・本審査で必要な書類
ファクタリングの仮審査・本審査で必要な書類についてお伝えします。審査を受ける前には、必要書類をきちんとそろえておくことが大事です。どのような書類が必要か、把握しておきましょう。
ファクタリングの仮審査で必要な書類
ファクタリングの仮審査で必要な書類は、ファクタリング会社にもよりますが、請求書や会社同士の取り引きがわかる書類です。
仮審査は本審査に比べると、簡易なものなので、必要書類も多くないと考えられます。取引のわかる書類は以下のものがあるので、いずれかを用意すれば大丈夫でしょう。不安であれば、ファクタリング会社に問い合わせてみてください。
領収書
注文書
納品書
受領書
小切手帳
支払い証明書など
ファクタリングの本審査で必要な書類
ファクタリング会社の本審査に必要な書類です。(一般的な必要書類)
商業登記簿謄本
印鑑証明書
法人税確定申告書(決算報告書)
売掛先企業との基本契約書・売買契約書
入金確認ができる通帳
ただし、ファクタリング会社によっても異なり、最近は書類が少なくて済むファクタリング会社も多くなっています。必要書類が少ないファクタリング会社の場合は以下です。
法人の場合の必要書類
決算書
銀行口座のコピー
請求書
個人事業主の場合
申告書
銀行口座のコピー
請求書
ファクタリングで審査がNGになる理由
ここからはファクタリングで審査がNGになる理由について解説します。考えられる理由は以下のことです。
証拠書類の欠損
個人相手の負債がある
書類の偽装
一つずつ詳しく解説していきます。
証拠書類(エビデンス)の欠損
ファクタリングの審査に落とされてしまう最も多い要因と考えられているのは、エビデンスと言われる証拠書類が不十分であることです。
たとえば、売掛債権の証明書類として以下の書類があります。
請求書
契約書関係
過去の入金履歴を証明するもの(通帳等)
以下はファクタリングの審査で書類の不備があった事例です。
W社はファクタリング会社にファクタリングを申し込み、必要書類として請求書を出しました。しかし、簡単な書類だったので、さらなる裏付けが必要となり、入金の証明が必要と求められたのです。しかし、W社は繁盛期で忙しく提出を拒んだため、ファクタリング会社からは買取不可と判断されてしまいました。
このように、書類の不備があり、提出の要求にも応えられない場合は、取引を断られてしまうことがあります。
個人相手の債権は買取不可
フリーランスや個人事業主など個人相手の債権は、ファクタリング会社から断られてしまうことがあります。
たとえば、以下の債権が考えられます。
賃貸マンションなどの家賃収入
個人相手の土地売買や建物売買
個人を相手にした貴金属の販売など
上記による売掛金はファクタリング会社では買い取れません。なぜならば、企業と違い、個人同士となると信用し難い取引になるからです。個人相手だと債権譲渡登記ができず、第三者による調査が不可能です。
また、ファクタリング会社によっては、個人事業主との取引を不可としているところも存在します。そのため、個人事業主やフリーランスがファクタリングを希望する場合は、個人事業主、フリーランス不可となっているファクタリング会社もあるので、ご注意ください。
したがって、フリーランス個人事業主がファクタリングを始める際は、ファクタリング会社のホームページをよく確認することが大事です。
書類の偽装
ファクタリングを申し込むフリーランスや企業のなかには、書類の偽装を行う場合があります。基本、ファクタリング会社は利用者を信じて話を進めますが、うそや偽装があると取引ができません。偽造書類を提出するのは厳禁であることを知っておいてください。
また、さらに悪質になると、画像を加工するケースも少なくありません。通帳の画像などは、わりと簡単に加工できますが、バレてしまうことが多いです。会社の立て直しのために何とかしたいという気持ちでの偽造と考えられますが、NGになることに手を出すのはやめましょう。このような偽造をすると審査に落ちてしまうでしょう。
ファクタリングの仮審査とは?のまとめ
ファクタリングの仮審査は申込後にすぐ行われ、事業内容や希望するファクタリングの内容などをチェックされます。その後は本審査に進み、ヒアリングなどの審査が行われ、即日から3日後くらいには結果が出るでしょう。本審査は仮審査よりも詳しくヒアリングなどが行われます。
本審査は仮審査よりも踏み込んだ内容になり、売掛先の信用度や経営者の様子などをチェックし、売掛金を払える企業かどうか判断されます。審査に通ったら、必要書類を速やかに用意して契約に進みます。