ファクタリングは手数料が高い?ファクタリングの手数料をできるだけ抑えるポイント紹介!
ファクタリングは売掛債権を買い取りするファクタリング会社に売ることで資金を調達する方法です。
経済産業省が推奨をしている資金調達方法としても注目されており、貸金業と違って利息が発生しない分リスクが少ない資金調達方法として知られています。
ですが、ファクタリングはその分手数料が高い点が難点とも言われ、手数料が高いから利用しない方が良いと考える事業主も少なくありません。
ファクタリングの手数料はどのくらい高いのか、手数料をできるだけ抑えるためにはどうすれば良いかを解説します。
目次
ファクタリング会社の手数料相場
契約するファクタリング会社によっても異なりますが、基本的にはファクタリングで発生する手数料の金額は、買取額×手数料率で決まります。
また、2者間でファクタリングが行われるのか、3者間で行われるかによっても手数料は異なり、2者間の場合は月率で10%から30%、3者間の場合は月率1~9%と相場が異なるのが特徴です。
ファクタリング会社によっても平均相場が大きく異なりますので一概にはいえませんが一般的な借り入れの相場が1%~15%前後であることを考えると高めの手数料といえるでしょう。
ローンや利息とは違う?
ファクタリングにおける手数料はローンや利息とは違います。
ファクタリングはお金を借り入れる訳ではなく、売掛債権を買い取りしてもらう資金繰り方法です。
そのためお金を長期的に借りるとその分の利息が発生する仕組みになっている借り入れとは根本的に異なることを頭に入れておきましょう。
手数料以外にもコストがかかる?
ファクタリング契約の際には手数料以外にも、債権譲渡登記費用や取引に際し発生する印紙税が発生する場合があります。
こちらは全ての契約で必要な訳ではありませんが、契約する会社によっては準備が必要になる可能性があるでしょう。
債権譲渡登記費用は5万円~10万円前後、印紙税は金額によって200円~20万円がかかりますので、手数料とは別に費用がかかる可能性があることを頭に入れておいてください。
手数料に上限がないため注意
ファクタリングは借り入れとは違い利息は発生しないため、利息制限法の適用は受けないのが難点です。
手数料の上限が設定されていない分、信頼できるファクタリング会社と契約を結べないと相場よりも膨大な手数料が請求される可能性があります。
手数料表示に関しても事前に明確に表示するように定められていないため、契約前には手数料率が低く設定されていたにも関わらず、契約時に高い手数料率が適用されていたことに後から気がつくというケースも少なくありません。
手数料率の表記方法が月率なのか、年率なのかもファクタリング会社によって異なります。
月率なのか年率なのかによって手数料率は大きな差がありますので、丁寧な説明がないファクタリング会社の場合、契約前に必ず確認することが大切です。
担保ではなく債権譲渡の契約を
また悪質な業者の場合は債権がきちんと譲渡されておらず、債権を担保にした融資取引をもちかける企業もあるため、売掛債権が担保ではなく譲渡される形の契約方法かどうかを確認しましょう。
契約時に手数料ではなく、利息などの表記がされている場合は担保や融資取引になっている可能性が非常に高いため危険です。
ファクタリング契約そのものは2020年から活発化し始めた取引方法のため、世間的にはまだ有名な資金繰り方法というわけではありません。
まだ取引に慣れていない事業主も多いからこそ、そうした事業主につけ込んで悪質な取引を持ちかける業者も多いことを頭に入れておきましょう。
ファクタリングにおける取引形態の種類
ファクタリングは取引形態(取引をする際にどのような方法でファクタリングを行うのか)によって手数料が異なります。
ここからはファクタリングにおける取引形態の種類や、それぞれの違い、手数料率はどのくらいかをみてみましょう。
2者間・3者間取引
ファクタリング契約と言えば大体の場合、こちらの取引が行われます。
こちらの取引では売掛債権をファクタリング会社に先に買い取ってもらう取引方法で、資金をスムーズに調達したい方、支払いサイクルにある程度の時間がかかる業種に広く利用されています。
2者間と3者間の違いは、ファクタリング取引することを売掛先に伝えるか、伝えないかという点です。
2者間の場合はファクタリング会社と直接契約を結ぶ事業主の2者の間でのみ取引することが伝わる方法で、3者間の場合はそれに加え、売掛先にも取引することを伝えます。
3者間では事前に取引先に売掛債権の支払先が変わる旨が通知されるため、通知を控えたい事業主からは避けたい取引方法として知られていますが、その分手数料相場が低めに設定されているのが特徴です。
保証取引
こちらは売掛先の倒産など、何らかの事情で債権が支払われなくなる可能性を考えて先立ってファクタリング契約を結ぶ際に利用されます。
一般的なファクタリング契約とは違い、即座に資金調達ができる方法ではありませんが、万が一売掛け先から支払いが行われなかったときにファクタリング会社からその分の金銭補償を受けられるのが特徴です。
債権の未回収リスクを事業主が背負うことを防ぐため、万が一に備えての保険という意味合いで契約が結ばれます。
あくまで売掛債権が回収できなかった場合に発生する取引ということもあり、手数料率の相場は0.2~1.3%と低めに設定されているのが特徴です。
医療取引
こちらは売掛債権ではなく、診療報酬や介護報酬などをはじめとした診療報酬を担保に資金調達をするファクタリング契約です。
売掛先は社保や国保連など公的な機関のため手数料相場は0.3~2%と低い傾向にあり、できるだけ高額で資金調達をしたい事業主に重宝されています。
医療取引契約の場合は将来的に発生する可能性がある債権(将来債権)を買い取り対象としているケースも多いため、ニーズに合わせて契約を結べるのが特徴です。
国際取引
こちらは輸出取引における売掛金を担保にしてファクタリング契約を結ぶ取引方法です。
海外のファクタリング会社とも連携して海外債権回収を保証する取引ですので、海外とやり取りをする機会が多い事業主が利用しています。
手数料相場は1~2%ということもあり医療取引や保証取引同様利用しやすいのが特徴です。
ファクタリング契約時に手数料をできるだけ安くするポイントは?
ファクタリング契約はこのようにいくつか取引方法がありますので、ニーズに合わせた契約を結ぶことが大切です。
いずれも取引時には手数料が必ず発生しますので、できるだけ高い手数料がかからないように工夫することをおすすめします。
ここからはファクタリング契約を結ぶ際に高い手数料をできるだけ安く抑えるポイントをご紹介します。
信用度の高い企業を売掛先にする
大手企業や上場企業、行政機関や歴史のある企業など、社会的にも信頼度の高い企業を売掛先にすることで、未回収リスクを防ぎやすくなる分、取引時の手数料も低めに設定されることが多いです。
そのため事業主はできるだけ売掛債権を設定する際、売掛先に信用度の高い企業と取引をするのが理想といえるでしょう。
反面、スタートアップ企業や経営状況が芳しくない企業ばかりと取引をしている場合、売掛債権が回収できないリスクをファクタリング会社が背負うことになる分、手数料が高めに設定される可能性が少なくありません。
まだ事業を始めたばかりで信用度が高い企業と取引をするのが難しい場合は、将来的にそういった企業と取引を行えるように事業展開を進めていくことが大切です。
できるだけ3者間取引を選ぶ
ファクタリング契約を結ぶほとんどの企業が、2者間か3者間契約によるファクタリング取引を利用することが多いかと思いますが、特にこだわりが無ければ3者間取引を結ぶと良いでしょう。
3者間取引の場合は売掛先から直接ファクタリング会社に売掛金が振り込まれる契約になりますが、2者間取引の場合は、売掛先と事業主で直接入金があった後に、ファクタリング契約を結んだ事業主からファクタリング会社に振り込む流れで取引が進むため、未回収リスクが高くなります。
未回収リスクが高くなる分、2者間取引の方が手数料も高めに設定されていますので、3者間取引で問題がなければ手数料を抑えるために3者間取引するといいでしょう。
売掛金の金額は高額設定がおすすめ
売掛金の金額が高ければ高いほど、手数料はその分安くなるのがファクタリング契約です。
こまめに安い金額を取引するよりも、高額の取引を1回にまとめて取引をした方が手数料は抑えられます。
2者間の場合でも3者間の場合でも同じことが言えますので、できるだけ手数料を抑えるためにはある程度金額がまとまってから取引をするといいでしょう。
事業主の信頼度も大切
今までファクタリング契約を結んだことがある方、取引が初めてではない方の場合、事業主の利用実績も手数料設定時の重要な判断基準となります。
2者間の場合はきちんとファクタリング会社に期日までに売掛金の振り込みがあるかどうかなど、細かい部分が重要な判断基準となるでしょう。
今まで利用したことが無い初めての方はその分手数料が高く設定されやすいですが、何度かファクタリングを利用しており誠実な取引が行われている場合は、徐々に手数料が安くなる傾向にあります。
ファクタリングの高い手数料を抑えるポイントのまとめ
ファクタリング契約は事業主にとって、売掛債権の未回収リスクを防ぐために有効な手段です。
上手に活用することで事業の促進を促し、安心してビジネスを進めることができる仕組みだからこそ、できるだけ手数料を抑えて上手に活用するといいでしょう。
手数料を抑えるためには事業主本人の信頼度や売掛先の信用度で判断されることはもちろんですが、取引方法に何を選択するかによっても手数料が何パーセントも変わります。
ちょっとした工夫で高い手数料を抑えられるため、できるだけ手元に戻ってくる資金を増やしたい方は、ファクタリングを上手に活用するといいでしょう。