ファクタリング利用のデメリットとは?種類別の注意点を詳しく解説
ファクタリングは便利なシステムですが、どんな場合でも効果がある魔法の杖ではありません。
利用者の置かれている状況に合わせて利用しないと、損をしてしまうこともありえます。
この記事では、ファクタリング利用におけるデメリットにフォーカスして解説します。
なお、ファクタリングには大きく分けて3つの種類があって、デメリットも同じではありません。
各ファクタリングサービスにおけるデメリットをしっかりと理解したうえで、うまく活用してみてください。
目次
ファクタリングは3種類に大別できる
ファクタリングには、大きく分けて3つの種類があります。
その3つとは、「買取型ファクタリング」「保証型ファクタリング」「一括型ファクタリング」です。
まず、3種類のファクタリングがどのようなものかを簡単に説明し、その後それぞれのファクタリングのデメリットについて解説していきます。
買取型ファクタリングは債権の売買契約をおこなうもの
買取型ファクタリングは、利用者が持っている債権をファクタリング業者に売却して、現金を得るものです。
仕事の請求書を使った請求書ファクタリングがよくおこなわれています。
2社間ファクタリングなら、利用者とファクタリング会社だけで契約できますが、3社間ファクタリングの場合は、売掛先の同意がなければファクタリングできません。
また保険機関からの報酬を債権として扱うファクタリングもあります。
医療報酬ファクタリング、調剤報酬ファクタリング、介護報酬ファクタリングの3つです。これらの医療系ファクタリングは、売掛先が社会保険診療基金や国民健康保険団体連合会といった潰れることがありえない機関のため、審査に通りやすいという特徴があります。
また、不動産収入でのファクタリングも可能です。
ファクタリングによって、後日得られるはずの家賃収入などを先に現金化できます。
ほかには「注文書」でのファクタリングも可能です。
取り扱っている業者は少ないのですが、注文書ファクタリングをすれば、通常よりもかなり早い段階で現金を手に入れられます。
保証型ファクタリングで取引先の倒産に対応できる
ファクタリングには、取引の保証をするタイプも存在します。
売掛債権に保証型ファクタリングを付けておけば、たとえ売掛先が倒産してしまっても問題ありません。
本来売掛先が支払ってくれるはずの売掛金は、ファクタリング会社が代わりに支払ってくれます。
買取型ファクタリングが活用されるようになったのは最近ですが、保証型ファクタリングは、取引の安全性を高めるために、早い時期から利用されていました。
保証型ファクタリングは、仕事をしてからお金が支払われるまでの期間が長い建設業界や土木業界などでよく使われています。
また、保証型ファクタリングは、海外貿易のようなリスクが高い取引にも有効です。
これは国際ファクタリングと呼ばれていて、自社、貿易相手、自国ファクタリング会社、相手国ファクタリング会社の4社間でファクタリングがおこなわれます。
一括型ファクタリングは手形の代わりに使える金融システム
一括型ファクタリングは、売掛先側が利用するファクタリングです。
売掛先が銀行などと契約を結び、銀行は債権者にお金を支払います。
売掛先は後日、手数料も含めて銀行に支払をおこなって一括型ファクタリングを完了させます。
一括型ファクタリングの機能は、手形と似たようなもので、手形の代わりに利用するケースが増えてきています。
【買取型】ファクタリング利用のデメリット
次は、買取型ファクタリングにおける利用するデメリットを紹介します。
買取型ファクタリングの主なデメリットは、以下のとおりです。
1. 融資と比べて利用費用が高い
2. 得られる資金は最大でも売掛債権の額まで
3. ファクタリングの支払は分割不可
4. 売掛先の信用が低いと利用できない
5. 債権譲渡登記が求められることが多い
6. 違法業者がファクタリングに参入している
ファクタリング利用を検討している方は、必ずデメリットをしっかりと理解したうえで申し込みましょう。
【買取型のデメリット1】融資と比べて利用費用が高い
お金を借りる場合、その手数料は利息制限法によって上限が定められています。
対して、ファクタリングには今のところ制限がありません。
そのため、銀行融資の利息よりもファクタリングを使った場合の手数料のほうがずっと高くなるのが普通です。
融資の場合、月間の利率が1%未満であることは珍しくありません。
しかしファクタリング手数料1カ月分が、1%を切るのは非常にレアケースです。
2カ月後の売掛債権をファクタリングするだけでも、普通は5〜20%程度の手数料を取られてしまいます。
ただしこれは、ファクタリング会社が法外な手数料を取っているということでもありません。
銀行は、仮に利用者が返済不可能になっても、担保などから資金を回収可能です。
しかしファクタリング会社の場合、売掛先が倒産してしまえば、その損をすべて被ってしまいます。
ファクタリング会社は大きなリスクを負っている分、手数料が高くなってしまうというわけです。
【買取型のデメリット2】得られる資金は最大でも売掛債権の額まで
金融機関からの融資の場合、会社の売上と比べてかなり大きいお金を借りることも可能です。
対してファクタリングの場合、最大でも売掛債権の額までしか資金調達できません。
たとえば、100万円の売掛債権しか持っていなければ、100万円から手数料を引いた分までに調達可能な金額が制限されます。
さらに多くのファクタリング会社が、融資の場合のように掛目を使っているという問題もあります。
掛目80%なら、100万円の売掛債権でも80万円分の価値としてしか認めてもらえません。
したがって、ファクタリングだけでは必要とする金額を調達できないことがありえます。
【買取型のデメリット3】ファクタリングの支払は分割不可
金融機関でお金を借りた場合、契約次第で、長期間にわたって少しずつ分割払いにすることが可能です。
しかしファクタリングは、決められた日時に一括払いしなければいけません。
そのため、支払の負担が融資よりも大きくなってしまいます。
分割払い対応のファクタリング会社もあるのでは、と思うかもしれませんが、まともな会社であれば、分割払いには対応しません。
なぜなら、分割払いを許してしまうと売買契約ではなく、金銭貸借契約とみなされてしまうおそれがあるからです。
金銭貸借契約になると、業者には貸し金業者登録が不可欠ですし、手数料にも利息制限法が適用されます。
なにかと面倒になるため、分割払いにしてもらえることはありえません。
【買取型のデメリット4】売掛先の信用が低いと利用できない
買取型ファクタリングの場合、売掛先が倒産しても、利用者が代わりにファクタリング会社に支払をする義務はありません。
一見便利ですが、その分ファクタリングの審査は厳しくなります。
売掛先に倒産の予兆がある場合、ファクタリング審査通過は困難です。
自社の信用がどれだけ高くても、売掛先の信用が低ければファクタリングできなくなります。
また、売掛債権が個人事業主のものだと、ファクタリングを利用できない可能性があるでしょう。
ただし、ごく一部のファクタリング会社は、個人事業主が出した売掛債権でもファクタリング対象にしています。
【買取型のデメリット5】債権譲渡登記が求められることが多い
依頼者が倒産してしまうと、資金回収ができずファクタリング会社は損をしてしまいます。そのため、通常はファクタリング時には債権譲渡登記が必要です。
債権譲渡登記をしておけば、売掛債権の権利がファクタリング会社に移っているため、利用者が倒産したとしてもファクタリング会社に損が発生しません。
債権譲渡登記には手続きが必要ですし、手数料も取られます。
司法書士報酬も必要なため、ファクタリング手数料よりも高額になってしまう可能性もゼロではありません。
さらに債権譲渡登記は、誰でも閲覧可能です。
そのため、売掛先やほかの会社にファクタリングを利用したことがバレてしまう危険性もあります。
【買取型のデメリット6】違法業者がファクタリングに参入している
ファクタリングは、最近になって急速に利用されるようになってきたシステムです。
そのため、しっかりとした枠組みが完成していません。
そのスキをつくように、違法業者がファクタリング業界に参入してきています。
ファクタリングと偽ってお金を貸してきたり、償還請求権を付けてファクタリングをおこなったり、と金儲けをしようとする悪徳業者が絶えません。
ファクタリングを利用する場合は、業者の選定をしっかりとしないと、違法業者に引っかかって、とんでもない損失を受けてしまう危険性があります。
【保証型】ファクタリング利用のデメリット
保証型ファクタリングの主なデメリットは、下記のとおりです。
1. 問題が発生しない場合ただ手数料を失うだけ
2. すべての売掛金不払いに対応するわけではない
それでは、保証型ファクタリングにおけるデメリットを見ていきましょう。
【保証型のデメリット1】問題が発生しない場合ただ手数料を失うだけ
買取型ファクタリングの場合、本来の期日より早く資金を入手できます。
その資金を使って、大きな利益を上げることも可能です。
しかし保証型ファクタリングの場合、ファクタリング会社からお金が振り込まれるのは、売掛先が倒産などをしてしまった場合のみになります。
そのため、資金運用によって利益を増やすことはできません。
つまり、取引先が普通に売掛金を支払ってくれる場合は、ファクタリングの手数料は無駄になります。
安心を得るために、すべての売掛債権に保証型ファクタリングをしてしまうと、会社の財政にかかる負担は少なくありません。
【保証型のデメリット2】すべての売掛金不払いに対応するわけではない
保証型ファクタリングといっても、売掛先のすべての問題に対応してくれるとは限りません。
どんな問題に対して保証金が支払われるかは、ファクタリングの契約内容によります。
原則として、取引先がただ単に売掛金を支払ってくれないといったケースでは、ファクタリング会社も保証金は支払ってくれません。
取引先が倒産するような状況にならなければ保証金が発生しないため、すぐに現金化したい場合には買取型ファクタリングがおすすめです。
【一括型】ファクタリング利用のデメリット
最後に、一括型ファクタリングにおけるデメリットを紹介します。
1. 債権者の希望だけでは利用できない
2. 取り扱っている金融機関が少ない
買取型に比べて利用者が少ない一括型ですが、利用を検討している方は、ぜひデメリットを抑えておきましょう。
【一括型のデメリット1】債権者の希望だけでは利用できない
一括型ファクタリングは、売掛先側が銀行と契約してシステムを導入しないと利用できません。
そのため、債権者側がいくら一括型ファクタリングをやってほしいと思っても、売掛先が動いてくれなければ、利用は不可能です。
主体的に利用できない、というのが債権者側から見た一括型ファクタリングのデメリットだと言えるでしょう。
とはいえ、売掛先が一括型ファクタリングをやってくれない場合は、債権者側が買取型の2社間ファクタリングをおこなうという手はあります。
【一括型のデメリット2】取り扱っている金融機関が少ない
一括型ファクタリングは、取り扱っている金融機関があまりありません。
そのため、ふだん利用している銀行でそのまま利用できる可能性は低いでしょう。
また、取り扱い業者が少ないということは、業者間の競争が働かないということです。
そのため、手数料などのサービスがあまりよくないものを選んでしまう危険性があります。
ファクタリングは便利だがデメリットも計算に入れる必要がある
ファクタリングはうまく使えばメリットの多い契約ですが、デメリットも存在します。
そのため、ファクタリングを使う際は、どのようなデメリットがあるかを考え、本当に会社にとってプラスになるのかよく考えなくてはいけません。
特にどのタイプのファクタリングでも、手数料が会社の負担になりやすいため、手数料を払うだけの価値があるのかは利用前によく検討する必要があるでしょう。
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ファクタリング利用を検討している方で、どの業者にしようか迷っている方は、一度ソレイユへご相談ください。