一括ファクタリングとは?一括ファクタリングを利用するメリットを紹介
ファクタリングは経済水産省が進める資金調達方法として多くの事業主に利用されています。そんなファクタリングサービスの一つが、一括ファクタリングです。よくあるファクタリングと何が違うのか、利用するメリットやデメリットについて解説します。
目次
ファクタリングと一括ファクタリングは何が違うのか
一般的なファクタリングは、お金をもらう側の事業主が売掛債権を早く資金化するためにファクタリング会社と取引を行い、売掛債権を買取してもらって資金を得るサービスです。
反対に一括ファクタリングは、お金を事業主に支払う発注者側が、ファクタリング会社に売掛金の買取りをしてもらうことで、支払いを先延ばしにできる方法を指します。どちらもファクタリングという名前がついていますが、そもそもの利用者がまったく違いますので、利用時には注意しましょう。
一括ファクタリングの目的や仕組み
一括ファクタリングは売掛先が各会社に支払う売掛金を調達できる方法で、支払い手続きをスムーズにすることを目的にしています。ファクタリング会社に売掛金の支払い分のお金を先に買い取ってもらい、そのお金を支払いに当てた後、本来支払われる予定だったお金が入金され次第、改めて手数料を含めた金額の支払いをする流れです。
ファクタリング同様、お金が入金されたらファクタリング会社に入金するという流れが多く、お金を支払う事業主に本来よりも早くお金が入るのが特徴です。
一括ファクタリングのメリット
一括ファクタリングはお金を支払う側の事業主が利用する仕組みです。ここからは、一括ファクタリングを利用するとどんなメリットがあるのか解説します。
より確実に支払いができる
何らかの事情で支払期日までに資金を調達できないと、支払先へのお金を支払えず、トラブルになる可能性があります。一括ファクタリングは抱えている売掛債権を本来よりも早く現金化できるので、支払時に資金調達ができなくなる可能性がある事業主こそ、一括ファクタリングを利用するメリットがあるでしょう。
受注業務と発注業務をどちらも行っている事業主から特に人気があります。
複数の売掛債権をまとめて処理できる
一括ファクタリングを利用することで、売掛債権をまとまった資金に変換できるので、支払いを複数抱えているような事業主の負担も減らせます。支払い日がバラバラだと事務処理や管理などごたごたしやすく、支払い漏れが出てくる可能性もありますが、売掛債権を一括で資金化できれば処理もスムーズです。
複数の売掛債権の財務処理を一括で行いたい方にも向いています。
一括ファクタリングを利用するデメリット
一括ファクタリングは事業主にとってメリットがいくつかありますが、デメリットもあるため注意が必要です。
ここからは一括ファクタリングを利用する前に確認したい注意点を解説します。
手形取引よりも手数料が高め
一括ファクタリングのように早めに資金調達できる方法としてあげられるのが手形取引ですが、この手形取引よりも手数料が高い傾向にあります。利用するファクタリング会社によっても異なりますが、最低でも5%以上に設定されている場所が多いので、コストがかかった結果、本来の売上よりも下がってしまう部分は頭に入れておきましょう。
サービス提供している会社はまだ少ない
一括ファクタリングは現状銀行を中心に取引がされており、ファクタリング会社でサービスを提供している企業は今のところごく一部です。
取扱いがないケースも多いため、利用前には一括ファクタリングそのものをやっている会社か確認しましょう。
表立って公表はしていないもののサービスの提供はしている場合もあるため、公式ホームページに記載が無い場合、問い合わせフォームから訪ねるのも一つの手です。
審査が厳しい
申込み時には必ず審査がありますが、審査通過率は低めです。
少しでも審査基準を満たしていないと審査に通らず、審査に通った後に支払い能力に問題があると判断された場合、これから先一括ファクタリングを使えなくなる可能性が高いので気を付けましょう。
支払い日の遅延は厳禁
継続して一括ファクタリングを利用したい場合はとくに、信頼度を下げることがないように支払い遅延は御法度です。ファクタリング会社への支払いが1日でも遅れると信頼が失われ、次回以降の利用ができなくなるケースが多いでしょう。
何らかの事情で支払いが遅れるときは、必ず早い段階で担当者に連絡を取ります。なぜ遅れるのか、支払い日はいつになるのかなど細かく尋ねられますので、丁寧に説明してください。
一括ファクタリングの審査に通りやすい事業主の特徴
ここまで、一括ファクタリングを利用するメリットデメリットについて解説しました。ここからは、一括ファクタリングの審査に通りやすい事業主の特徴を解説します。
これから利用を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
個人事業主より法人の利用率が高め
一括ファクタリングは、個人事業主や法人など事業形態を問わずに申し込める会社も多いですが、どちらかというと法人事業者の方が審査に通りやすい傾向にあります。理由として1番に考えられるのが、やはり信頼度の高さです。
法人化するためには各種の申請や届出、法人登録が必須で社会的にも信用度が高いため支払い能力もあると思われやすく、審査に通過しやすい傾向にあります。もちろん個人事業主でも利用している方もいますが、初めての利用の場合は審査に通過しやすいのは法人事業主の傾向にあるでしょう。
資金源の信頼度が高いと通りやすい
請負などで業務を行っている場合、国からの業務を行ったことにより発生している売掛金・売掛債権を持っている事業主は信頼度が高い傾向にあります。売掛金の支払いができなくなるケースの1つが、仕事を受注した企業や資金源から振り込みがなく、仕事を発注した別会社に支払えなくなるというケースです。
国や大手企業など社会的信頼度が高い企業とやりとりをした実績のある事業主の方が、未回収リスクを避けやすいと考えられ、審査に通りやすくなるでしょう。
銀行よりもファクタリング会社が通りやすい
銀行で一括ファクタリングサービスを行う場合もありますが、銀行はファクタリング会社に比べると手数料が低いこともあり、審査に厳しいのが難点です。より確実に一括ファクタリングを利用したい場合は銀行ではなく、ファクタリング会社が行っている一括ファクタリングを利用する方が、比較的審査に通りやすいでしょう。
いくつかの会社をピックアップする
一般的なファクタリングに比べると一括ファクタリングは審査が厳しい傾向にある分、銀行ではなくファクタリング会社に申し込んでも審査に落ちるケースも少なくありません。ですが、一会社の審査に落ちても別会社であれば審査に通過する可能性は大いにあります。
一つの場所で審査落ちしたときにすぐに方向転換ができるように、最初からいくつかの会社をピックアップしたうえで申し込むといいでしょう。
一括ファクタリング会社を選ぶポイントは?
一括ファクタリングをするファクタリング会社はいくつかありますので、自分に合っている会社を選ぶためにチェックポイントを知っておきましょう。一括ファクタリング会社を選ぶときに最低限確認したいのはこちらです。
自分の事業形態に合っている会社か確認
ファクタリング会社によっては一括ファクタリングサービスを利用できるのは一定の職種や事業形態に限定している場合があります。一括ファクタリングサービスの申込み前に公式ホームページを確認して、自分の事業が申込み対象かを確認してみてください。
手数料の差を比較
一括ファクタリングは通常のファクタリングに比べると手数料が高めに設定されているケースが多いのが特徴です。手数料のパーセンテージは会社によって異なるため、できるだけコストカットしたい事業主は手数料が低い会社を選ぶといいでしょう。
ただし手数料が低い会社イコール良質な会社というわけではないため、サービス内容などもよく踏まえた上で申し込むのが大切です。
対面式かオンラインタイプかチェック
審査に際し申込みをする必要がありますが、ファクタリング会社によって申込み方法が異なります。
直接ファクタリング会社に赴く対面式、オンライン上ですべての取引が完了するオンライン式などいくつか方法があるため、方法を事前に確認しましょう。
対面式の場合、近くに会社がないと何度か通う可能性もあるため時間と交通費がかかります。近隣にファクタリング会社が無い場合は、オンラインで取引ができるオンライン完結型のファクタリング会社を選ぶと使いやすいです。
一部オンラインタイプもあるので注意!
オンライン審査と書かれているファクタリング会社の中には、すべての取引がオンラインで解決するタイプもあれば、審査が終了したら取引をするために直接対面で話しをしないといけないタイプの会社もあります。
オンラインと書かれていても一部がオンラインではないケースも珍しくないので、事前に確認しておくと安心です。
一括ファクタリングについてのまとめ
一括ファクタリングの詳細や、メリットデメリットについて解説しました。一般的なファクタリングとは異なり、お金を支払う事業主側のサポートを行うのが一括ファクタリングの特徴です。
売掛金を事前に立て替えてもらえるサービスのため、早めに資金調達をして確実に支払いができる準備態勢を整えたい事業主に向いています。
ただし一般的なファクタリングに比べると審査難易度が高めな傾向の会社が多いため、利用する際には申込み前に、企業のサービスを利用するにあたり一定基準を満たしているか事前に確認しましょう。もちろん、一会社の審査に落ちたからと言って諦める必要はありません。
一括ファクタリングサービスを取り扱う会社は数が少ないながらもいくつかありますので、自分に合っている会社を見つけたらまずは申し込んでみてください。