ファクタリングと延現金の関係性とは?読み方や利用する利点、注意点を解説
延現金は、通常の現金取引よりも支払いまでの期間が長い、信用取引の1種です。
現在、政府は2026年までに手形取引の廃止を目指しており、今後は取引先から延現金への移行を提案される可能性があります。
延現金は、受け取り側にとって資金繰りの負担や未回収のリスクが高い取引です。
しかし、ファクタリングを利用することで、延現金のデメリットを解消できます。
この記事では、ファクタリングと延現金の関係性や利用する利点を解説していきます。
自社の経営を守るためにも、事前に正しい知識や対策方法を身に着けておきましょう。
目次
延現金の読み方と意味
延現金の読み方は「のべげんきん」です。
売掛金の決済方法の1つで、正式には「延現金払い」と呼ばれます。
延現金の意味や、手形取引・でんさいとの違いを見ていきましょう。
延現金は期日現金とも言う
延現金は「期日現金」および「期日現金払い」「期日指定振込み」とも言います。
いずれも意味は同じで、売掛金の支払い期日を繰り延べて決済する方法です。
一般的に、売掛金は2カ月以内に支払いが必要となりますが、延現金は60日・90日・120日と支払期間を長く設定できます。
支払い側にはメリットが多いですが、受け取り側はお金が振り込まれるまでに時間がかかるため、資金繰りが苦しくなる可能性があります。
手形決済やでんさいとの違い
売掛金の決済方法には、延現金のほかに手形決済やでんさい(電子記録債権)があります。
まず、延現金と手形決済の主な違いは、手形取引をおこなうか否かです。
手形を介して取引するのが手形決済、手形を使わないのが延現金です。
手形は財産価値のある「有価証券」ですので、たとえ支払いまでの期間が長くても、期日前に裏書譲渡や手形割引などで換金する方法があります。
一方、延現金では受け取り側に支払確認書が発行されますが、有価証券ではないため期日前に換金できません。
次に、延現金とでんさいの主な違いは、期日前に金銭債権が発行されるか否かです。
でんさいは「でんさいネット」と呼ばれるオンラインサービス上で扱える金銭債権です。
期日前の換金や、分割も可能で手形よりも自由に譲渡できます。
一方、延現金で発行される支払確認書は、金銭債権ではなく単に支払い内容を双方で確認するための書類です。
先述のとおり、期日前に換金したり、でんさいのように分割譲渡したりもできません。
延現金のメリット・デメリット
延現金には、支払い側と受け取り側でそれぞれメリット・デメリットがあります。
特に、受け取り側には大きな負担がかかる可能性があるため、起こりうる影響を確認しておきましょう。
支払い側のメリット・デメリット
延現金による支払い側の主なメリットは、買掛金の支払いを先延ばしにできる点です。
長期間の猶予があることで、余裕のある資金繰りが可能です。
また、通常の手形決済でかかる印紙税や発行手数料といったコストを削減できるほか、手形の発行や郵送手続きなどで発生する事務的負担がなくなります。
次にデメリットですが、支払い側にはほぼないと言ってよいでしょう。
強いて言えば、下請法によって利用できるケースが限られる点です。
下請法が適用された場合、商品・サービスの提供から60日以内に支払いが必要となるため、延現金は利用できません。
受け取り側のメリット・デメリット
延現金は、受け取り側にはほぼメリットがありません。
考えうるのは、受取手形の管理にかかるコストや手間を省ける点です。
しかし、基本的にはデメリットの影響が大きいことを認識しておきましょう。
延現金は、支払いサイト(売掛金の発生から支払いまでの期間)が長く、資金難に陥りがちです。
手形と違って裏書譲渡や手形割引などで期日前に換金するのも不可能なため、一層負担がかかります。
さらに、手形よりも未回収リスクが高いのも欠点の1つです。
金融機関を通さない延現金は、支払い側にとって不渡りによる銀行から取引停止処分といったリスクがなく、支払いの優先度は低くなるのです。
延現金はファクタリングを利用すべき
延現金で資金繰りに困ったら、ファクタリングの利用を検討しましょう。
延現金は期日前に換金できないのは先述したとおりですが、売掛金をファクタリング会社に売却することで資金調達が可能です。
ファクタリングには、以下2種類の取引方法があります。
・2社間ファクタリング:自社・ファクタリング会社の2社間での取引
・3社間ファクタリング:自社・売掛先・ファクタリング会社の3社間での取引
延現金の場合、手数料が安い3社間ファクタリングの利用を優先しましょう。
延現金は受け取る側のデメリットが大きいため「資金繰りの負担を避けたい」という点で交渉しやすいためです。
受け取り側における延現金をファクタリングする4つの利点
延現金をファクタリングする場合、受け取り側には以下4つの利点があります。
・最短即日での現金化が可能
・支払サイトを短くできる
・代金の未回収リスクに備えられる
・自社の経済状況に左右されにくい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
最短即日での現金化が可能
ファクタリングの場合、最短即日で現金化が可能です。
対応スピードはファクタリング会社によって異なりますが、売掛先とのやり取りが不要な2社間ファクタリングであれば、スピーディーな入金が見込めます。
迅速に資金調達が必要な状況であれば、ファクタリングの利用が適しています。
支払サイトを短くできる
延現金の支払いサイトは、短くても60日程度かかります。
一方、2社間ファクタリングの支払いサイトは最短0日、3社間ファクタリングの場合も1週間程度まで短くできます。
支払いサイトの長期化によって資金繰りが困難になってしまった場合は、ファクタリングを利用することで改善するでしょう。
代金の未回収リスクに備えられる
ほとんどのファクタリングは、償還請求権のないノンリコースです。
売掛金が回収不能になったとしても、元の債権者(自社)が支払い責任を問われることはありません。
たとえば、A社の売掛金をファクタリングに売却し、その後A社の倒産によって回収不能になったとしても、自社が買戻しを求められることはないということです。
一方、手形を期日前に現金化する手形割引は、償還請求権付きのリコース契約です。
そのため、不渡りになった場合は自社で買い戻す必要があります。
ファクタリングを活用することで、代金未回収のリスク回避が可能です。
自社の経済状況に左右されにくい
ファクタリングの審査において、自社の業績は重視されません。
もし経済状況が悪いとしても、それだけで利用を断られることはないと認識してよいでしょう。
ファクタリングの審査で重視されるのは、売掛先の経営状況です。
取引後は売掛債権ごとファクタリング会社に移行している状態ですので、万が一自社で支払い不能になったとしても、売掛先に請求できるためです。
一般的な資金調達方法としては銀行の融資などがあげられますが、自社の業績が悪いと審査に通過するのは難しくなります。
自社の状況に左右されずに利用しやすいのは、ファクタリングならではの強みです。
受け取り側における延現金をファクタリングする3つの注意点
ファクタリングを利用する際には、下記の点に注意してください。
・手数料が手形取引に比べて高い
・短期的な資金調達方法として利用すべき
・売掛先との取引に悪影響を及ぼす可能性がある
ひとつずつ解説します。
手数料が手形取引に比べて高い
ファクタリングは手形取引より手数料が割高です。
手形取引の場合は年利2〜5%ほどですが、ファクタリングの場合は1回の取引に対して手数料が1〜20%ほど発生します。
手数料が高い分、得られる資金が減ってしまいますので、手数料がどれくらいかは利用前に必ず確認してください。
手数料を抑えたい方は3社間ファクタリングがおすすめです。
一方で、一刻も早く資金を確保したい方は最短当日での入金が可能な2社間ファクタリングが向いています。
短期的な資金調達方法として利用すべき
ファクタリングは短期的な資金調達方法として利用しましょう。
いますぐ資金が欲しい場合、ファクタリングは非常に役立ちます。
しかし、本来受け取るはずの売掛金より少ない金額しか手元に残りませんので、頻繁に利用するとかえって資金繰りが悪化する恐れがあります。
あくまでの一時的な処置としてファクタリングを利用し、キャッシュフローを見直すなど根本的な改善が必要です。
売掛先との取引に悪影響を及ぼす可能性がある
欧米発祥のファクタリングですが、まだ日本では他の資金調達方法に比べて認知度が低いのが現状です。
ファクタリングの違法性を疑う売掛先もなかにはいるでしょう。
また、資金繰りの悪化を売掛先に知られると今後の取引に悪影響を与える可能性もあります。
どうしても売掛先にファクタリング利用を知られたくない方は、2社間ファクタリングや債権譲渡登記が必要ないファクタリング会社を利用しましょう。
まとめ:延現金はファクタリングでリスクヘッジしよう
延現金は、売掛金の支払期日を長期間設けられる決済方法です。
主に支払い側のメリットが大きく、受け取り側は支払いサイトの長期化によって資金繰りに困る可能性があります。
手形とは異なり、支払い期日前に換金できないことに加えて、未回収のリスクも高まります。
上記のデメリットは、ファクタリングを利用することで解決可能です。
ファクタリングを利用すれば、売掛金が即現金化できるだけでなく、未回収のリスクもファクタリング会社に移行できます。
延現金の場合は、3社間のファクタリングも交渉しやすいため、自社に最適な方法を検討してみましょう。
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