ファクタリング利用時における支払いとは?タイミングや注意点を解説
ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社へ渡してお金を受け取る流れで取引しますが、基本的に支払いが生じるのは売掛金のみとなります。
手数料は発生しますが、受け取る際には既に差し引かれた状態ですので、別途で支払う手間などはありません。
ただし、ファクタリング会社へ売掛金を支払うタイミングは取引方法によって異なりますので注意が必要です。
この記事では、ファクタリングの支払条件や、支払いが遅れた場合の末路、利用するメリット・デメリットを解説します。
目次
ファクタリングとは支払サイトを短縮できるサービス
ファクタリングとは、所持している売掛債権を売却し、支払期日より前に現金化できるサービスです。
支払サイト(売掛金の発生から回収までにかかる期間)を短縮できるファクタリングを活用すれば、手元に今すぐお金が欲しい場合に役立ちます。
お金を借りない資金調達方法として需要が高まっているファクタリングですが、金融機関の融資に比べて認知度はまだ低いのが現状です。
本記事でファクタリングの支払条件や利用するメリット・デメリットを把握し、資金調達方法のひとつとして選択肢に入れてみてください。
ファクタリングの支払条件
ファクタリング利用で生じる利用者の支払いは、基本的に売掛金と手数料となります。
手数料に関しては、ファクタリング会社から現金を受け取る際、既に差し引かれた状態ですので特に支払う手間はありません。
一方で、売掛金に関しては取引方法によっては利用者が直接ファクタリング会社へ支払う必要があります。
ファクタリングには、2社間取引と3社間取引の2つの取引方法があります。
それでは、ファクタリングの支払条件を見ていきましょう。
2社間取引・3社間取引で売掛金を支払うタイミング
2社間取引の場合、売掛先から受け取ったお金をそのままファクタリング会社へ支払う必要があります。
売掛金の支払期日に関しては、ファクタリング会社が定める利用条件に記載してありますので、よく確認しましょう。
ファクタリング会社によって支払期日が異なりますが、売掛金の入金日から10日以内に設定している場合が多いといえます。
一方で、3社間取引の場合は、売掛先から直接ファクタリング会社へ売掛金が送金される仕組みのため、利用者の支払いはありません。
2社間取引では売掛金の現金化後にもファクタリング会社への支払いが生じますが、3社間取引では売掛金を現金化した段階で利用者の手続きは完了します。
2社間取引を利用すると一括支払いが必要
2社間取引を利用し、ファクタリング会社へ売掛金を送金しますが、原則として一括払いとなります。
つまり、ファクタリング会社が設けた支払期日までに売掛金をまとめて支払う必要があるのです。
資金繰りが悪化している場合、売掛先から受け取った売掛金に手をつけてしまい、分割払いができないか考える事業者もいるかもしれません。
しかし、貸金業に該当しないファクタリングでは分割払いができませんので、2社間取引を利用するとファクタリング会社への一括支払いが必要な点は覚えておいてください。
ファクタリング会社への支払いが遅れるとどうなる?
ファクタリング会社への支払いが遅れた場合、最終的には横領罪や詐欺罪に問われる恐れがあります。
売掛金をファクタリング会社へ譲渡した段階で、売掛債権の保有者は利用者からファクタリング会社へ移ります。
既に債権が移っているにも関わらず、ファクタリング会社の保有する売掛金を使い込むと罪に問われてしまうのです。
1日や2日程度、支払いが遅れるだけならファクタリング会社から未払いの連絡がくるだけで済むでしょう。
その段階で売掛金を支払えれば問題ありませんが、ファクタリング会社の連絡を無視したり、滞納を続けたりするとファクタリング会社から訴訟を受ける可能性が高くなります。
そして、最終的には横領罪や詐欺罪の判決を裁判所から受け、捕まってしまう恐れがあるでしょう。
ファクタリング会社への支払いに困らないための対処法3つ
ファクタリング会社への支払いに困らないための対処法としては、下記の3つがあります。
• キャッシュフローを見直す
• 手数料の低いファクタリング会社を選ぶ
• 利用期間を予め決めておく
ひとつずつ解説します。
キャッシュフローを見直す
ファクタリングは、資金繰りが苦しい場合に利用されやすいサービスです。
キャッシュフローを見直し、収入と支出のバランスをうまく取れればファクタリングを利用せずに済むでしょう。
ファクタリングを利用しても、キャッシュフローがうまく回っていればプールできる資金が多少なりとも生まれるかもしれません。
その結果、売掛先から支払われた売掛金に手を出す必要がなくなり、ファクタリング会社への支払いが滞ることも避けられるはずです。
手数料の低いファクタリング会社を選ぶ
ファクタリング利用で生じる支払いは主に売掛金と手数料です。
手数料を差し引いた分の売掛金を受け取るため、満額での現金化はできません。
手数料が高い分だけ受け取れるお金が減るため、手数料を負担に感じる場合もあるでしょう。
手数料の高さが気になる場合には、手数料が低いファクタリング会社への乗り換えも検討してみてください。
他社利用中であってもファクタリング会社の乗り換えは可能です。
ファクタリング会社を選ぶ際には、手数料をしっかりと比較しておきましょう。
利用期間を予め決めておく
短期的な資金調達にファクタリングは向いているサービスですが、長期的な利用には向いていません。
なぜなら、金融機関の融資に比べて手数料の割合が高いためです。
融資で生じる金利が、ファクタリングでいう手数料となります。
銀行融資の場合、年利数%で借入できますが、ファクタリングの手数料を年利に換算すると数十%以上にも及びます。
加えて、売掛金を満額で現金化できないため、本来受け取れる金額より少なくなる点もファクタリングが長期利用に向いていない理由です。
ファクタリングに依存すると資金繰りが悪化する恐れがあり、ファクタリング会社へ支払うべき売掛金を使ってしまう状態になりかねません。
ファクタリングを利用する際は、利用期間を予め決めておくことをおすすめします。
ファクタリングで支払サイトを短縮する2つのメリット
依存し過ぎると良くないファクタリングですが、支払サイトを短縮し売掛金の早期現金化を図るメリットとしては、下記の2つがあります。
• 返済リスクが生じない
• 赤字経営や債務超過でも利用できる
それでは、ファクタリングで支払サイトを短縮し、資金調達する2つのメリットを紹介します。
返済リスクが生じない
債権売買であるファクタリングには、融資のような返済リスクがありません。
融資の場合、毎月の返済が生じるため、返済金を返す手間やお金の管理が必要です。
余剰資金がなく、資金繰りが悪化し始めている場合、たとえ少額であったとしても毎月必ず支払う義務があるお金があると精神的な負担がかかってしまいます。
もし、返済が滞ってしまったり、返済能力がなくなり債務整理をおこなったりすると信用情報に事故情報として傷が付きます。
いわゆるブラックリスト状態になると3〜10年は新たな借入ができませんし、信用取引のほとんどに制限がかかるはずです。
融資には返済できない場合のリスクがありますが、ファクタリングにはありません。
仮に売掛先が倒産してファクタリング会社へ売掛金を支払えない場合も、償還請求権のない契約なら利用者が弁済する必要がないのです。
赤字経営や債務超過でも利用できる
融資の場合は利用者の返済能力を重要視しているため、赤字経営や債務超過だと利用できない可能性が高いといえます。
一方で、ファクタリングでは売掛先の経済状況を重要視しているため、仮に利用者が経営難であっても審査に通る可能性は十分にあります。
税金や社会保険料を滞納している場合でも、ファクタリングなら利用できる可能性があるでしょう。
期限が迫っている支払いがある場合、最短即日で資金調達できる点はファクタリングの大きな強みです。
ファクタリングで支払サイトを短縮する2つのデメリット
支払サイトを短縮し、素早い資金調達を実現できるファクタリングですが、下記のようなデメリットも存在します。
• 売掛先の許可が必要な場合がある
• 悪徳業者が存在する
メリット・デメリットを考慮したうえで、ファクタリングを利用するか検討してみてください。
売掛先の許可が必要な場合がある
2社間取引なら売掛先にファクタリング利用が知られることは基本的にありません。
一方で、3社間取引の場合は売掛先にファクタリングを利用して売掛債権をファクタリング会社へ譲渡する行為に同意してもらう必要があります。
売掛先にファクタリング利用を知られると、資金繰りが悪化しているのか、今後の取引に悪影響がないかなど経営に対して不信感を抱かれる可能性もあるでしょう。
ファクタリング利用がきっかけで、売掛先との関係性が悪くなるケースも少なくありません。
そのため、売掛先にファクタリング利用を知られない、債権譲渡登記や債権譲渡通知がない2社間取引を利用する事業者が多い傾向にあります。
悪徳業者が存在する
ファクタリング会社のなかには、悪徳業者が紛れている場合があります。
悪徳業者の存在は金融庁や消費者庁も忠告しており、過去には違法行為が事件としてニュースにもなりました。
とはいえ、ファクタリングには違法性がなく、売掛債権を活用した資金調達方法として経済産業省も推奨しています。
運営元の情報をしっかりと公表していたり、口コミや評判が特に悪くなかったりするファクタリング会社は安全といえるでしょう。
ファクタリング利用で支払いトラブルを避けるための注意点
ファクタリング利用で支払いトラブルにならないためには、下記に注意してください。
• 契約内容を確認する
• 契約書の控えをもらっておく
支払いの延滞によって利用者が罪に問われるケースがある一方で、ファクタリング会社が原因で支払いトラブルが生じる可能性もあります。
それでは、ファクタリングを利用する前に知るべき支払いトラブルを避けるための注意点を見ていきましょう。
契約内容を確認する
専門用語や法律用語が記載してある契約書は、隅々まで内容を把握するのが難しいですが、確認すべき項目がいくつかあります。
まず、契約名が債権譲渡契約になっているか確認してください。
もし、契約名が金銭消費貸借契約になっている場合は、ファクタリングを偽装した違法な貸し付けの可能性が高いといえます。
偽装ファクタリングには、十分に気をつけましょう。
また、支払いが発生するものが何かも確認すべき項目のひとつです。
ファクタリング会社によっては、買取り手数料のほかに事務手数料や着手金を請求する場合もあります。
契約する際は、契約内容に疑問な点があれば些細なことでも構いませんので担当者へ尋ねてみてください。
契約書の控えをもらっておく
契約内容に合意し、正式に締結したら必ず控えを保管しておきましょう。
契約書は何かしらのトラブルが生じた際に、契約内容と違った場合の法的な証明書となります。
もし、契約書の控えを求めたものの、それに応じないファクタリング会社がいたら悪徳業者の可能性がありますので利用を避けるべきです。
書面による契約ならファイルなどで控えを保管し、クラウドサインによる契約ならPDFなどでダウンロードしておくと安心です。
まとめ:ファクタリングで支払サイトを短縮し資金繰りを改善しよう
この記事では、ファクタリング利用時における売掛金や手数料を支払うタイミングや、利用するメリット・デメリット、注意点を解説しました。
ファクタリングは、支払期日前に売掛金を早期現金化できるため、支払サイトが2〜3ヶ月かかる建設業や運送業などの業種に人気なサービスです。
支払サイトが長いとキャッシュフローが悪化しやすいですが、ファクタリングなら資金繰りの改善が可能です。
ファクタリングを利用する際は、信頼できる業者か見極めたうえで申し込みましょう。
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