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ファクタリングとでんさいの意味とは?相違点をわかりやすく解説

本記事はファクタリングとでんさいの意味と相違点をわかりやすく解説していきます。
ファクタリングとでんさいは大きな違いがあるので理解しておくことが大切です。それぞれの意味や相違点を解説しますので、どちらを利用すべきかお悩みの方はぜひこの記事をご参考にしてください。

ファクタリングとでんさいは、ともに売掛債権を活用したサービスです。
そのため、双方の違いがいまいち分かっていない人も多いのではないでしょうか。
自社に合ったサービスを利用するためにも、ファクタリングとでんさいの違いをしっかりと理解しておくことが大切です。
この記事では、ファクタリングとでんさいの相違点を、仕組みや利用するメリット・デメリット、手順ごとに解説します。

ファクタリングとでんさいの意味

ファクタリングとでんさいはどちらも資金調達に有効なサービスですが、仕組みが異なります。
そこで、ファクタリングとでんさいのサービス内容について詳しく解説します。

ファクタリングの仕組み

ファクタリングとは、本来は取引先が支払うまで現金化できない売掛債権をファクタリング会社に譲渡して、手数料を差し引いた現金を調達できるサービスです。
ファクタリングには償還請求権がないため、取引先が倒産して売掛金を回収できない場合において、ファクタリング会社に現金を返済する必要はありません。
また、帝国データバンクの倒産集計によると、2022年4〜9月で売掛金回収難によって倒産した企業は6件存在しており、貸倒リスクの怖さがうかがえます。
ファクタリングの利用によって、売掛債権を即座に現金化できるだけでなく、取引先の倒産による連鎖倒産を回避できるのがポイントです。

でんさいの仕組み

でんさいとは電子記録債権の略称で、従来は紙媒体であった約束手形をオンライン上で取り扱うサービスです。
でんさいの運営は、全国銀行協会が設立した全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)が担っており、2022年7月時点で495の金融機関が参加しています。
でんさいの利用登録者企業は2021年度末時点で467,180社にのぼり、発生記録請求件数や金額も年々増加しています。
参照:会社概要|でんさいネット
また、取引先の支払い期日前に現金を調達できるでんさい割引も利用可能です。
約束手形が電子化したでんさいは、紙媒体よりも効率的に現金化できることから、資金調達のツールとして注目を集めています。

ファクタリングとでんさいの相違点

ファクタリングとでんさいにおいて、売掛債権や約束手形の支払い期日前に現金化できる点は共通ですが、以下の3つの相違点があります。

• 貸倒リスク
• 審査基準
• 売掛先と契約する手間

相違点を知ることで、ファクタリングとでんさいを使い分けやすくなるため、順番に解説します。

貸倒リスク

前述したように、償還請求権がないファクタリングでは、取引先が倒産しても現金を返済する必要がないため貸倒リスクを解消できます。
一方のでんさい割引では、取引先が倒産した場合、代わりに自社で調達した資金額を返済しなければなりません。
注意点として、ファクタリングの手数料は2〜20%が相場ですが、でんさい割引は年率で1.5〜15%と貸倒リスクの有無によって手数料も変動します。
よって、手数料が高くなっても貸倒リスクを回避したい場合は、償還請求権がないファクタリングがおすすめです。

審査基準

資金回収先が異なるファクタリングとでんさい割引では、審査基準も違います。
すなわち、ファクリングでは取引先の信用力が審査対象であるのに対し、でんさい割引では自社の信用力が審査対象です。
加えて、でんさいの審査は金融機関がおこなうため、ファクタリングよりも難易度が高いといえます。
自社の経営状態が悪くて資金調達が必要な場合は、取引先が審査対象であるファクタリングを利用するようにしましょう。

売掛先と契約する手間

現金化する手間もファクタリングとでんさいで異なります。
ファクタリングは売掛債権譲渡の都度、見積もりや契約を実施する必要があり、取引先が多くなるほど手間がかかります。
一方のでんさいでは、対象の金融機関で口座開設が完了し、電子決済手段であるでんさいネットに取引先が加盟していれば、契約し直す必要はありません。
すなわち、「見積もりや契約の手間を省いて資金調達したい」と考えている人は、でんさいが向いています。

ファクタリングを利用する3つのメリット

ファクタリングを利用するメリットとして、以下の3つが挙げられます。

• 素早い資金調達が可能
• 審査基準が甘い
• 貸倒リスクを回避できる

ファクタリングを利用する前に、自社にとって恩恵を受けられるメリットがあるか確認しておきましょう。

素早い資金調達が可能

ファクタリングは最短即日で売掛債権を現金化できます。
特に、取引先とのやり取りを必要としない2社間ファクタリングの利用によって、最短即日での資金調達が可能です。
一般的に、融資は申し込みから審査完了まで1ヶ月程度、でんさいは利用契約まで2週間程度かかるため、ファクタリングによる資金調達は非常に早いことが分かります。
まとめると、ファクタリングは、急に現金を準備しないといけないケースにも対応しやすい資金調達方法といえるでしょう。

審査基準が甘い

ファクタリングはでんさい割引や融資と比較して審査基準が緩く、資金調達しやすい傾向があります。
前述したように、金融機関ではないファクタリング会社が審査するのに加えて、資金回収先である取引先が審査対象となるためです。
仮に自社の経営状況が悪く、融資やでんさい割引の審査が通らない場合でも、ファクタリングであれば審査に通る可能性が高くなります。
資金の枯渇によって倒産危機に直面した場合は、自社の経営状況を問われないファクタリングの利用を検討しましょう。

貸倒リスクを回避できる

ファクタリングには償還請求権がなく、貸倒リスクを回避できるのもメリットの1つです。
ファクタリングの利用によって、取引先の支払い状況に依存しない資金繰りが可能となるため、安定経営を実現できます。
せっかく売上を伸ばしている企業でも、売掛債権の回収が滞ることで黒字倒産するリスクがあるため、貸倒リスクは解消しておくのがベターです。
したがって、取引先の経営状態に左右されない経営を目指すには、償還請求権がないファクタリングでの資金調達が適しているといえます。

でんさいを利用する3つのメリット

でんさいを利用することで、従来の紙媒体の約束手形にはなかったメリットを3つ得られます。

• 余計なコストを削減できる
• 事務作業の負担を軽減できる
• 手続きの手間が少ない

紙媒体の約束手形しか利用した経験がない人は、確認しておいて損はありません。

余計なコストを削減できる

でんさいの利用によって、紙媒体でかかる余計なコストを削減できます。
オンライン決済であるでんさいは、領収書に貼り付ける印紙代や取引先への郵送料をかけずに資金調達が可能です。
でんさいネットの公式サイトにも、でんさいを導入することで年間10万円のコスト削減に成功した事例が挙げられています。
でんさいネットの公式サイトでは、取り扱う手形枚数を入力すると、コスト削減がどの程度可能かシミュレーションできるため、一度試してみるとよいでしょう。

事務作業の負担を軽減できる

でんさいを導入することで、紙媒体で発生していた事務作業の簡略化が可能です。
具体的には、約束手形の受け取りや保管・領収書発行・金融機関への取り立て依頼が不要で、オンライン上で債権内容を確認するのみとなります。
コスト削減の事例と同様に、「経理作業の効率化が図れた」というレビューがでんさいネットの公式サイトに記載されています。
でんさいの導入によって事務作業の負担軽減できるだけでなく、人件費削減も期待できるでしょう。

手続きの手間が少ない

紙媒体であれば約束手形を受け取るたびに手続きが必要でしたが、でんさいネットでは約束手形や取引先が増えても新しい手続きは不要です。
取引金融機関とでんさいの利用契約を結んだあとは、自動で支払い期日に入金されます。
また、でんさい割引の利用を検討している人も、申し込み時の審査に通っていれば最短即日で現金化が可能です。
でんさいの導によって、手続きに割く時間を省けるため、集中して経営に取り組めます。

ファクタリングを利用するデメリット

ファクタリングにはメリットばかりではなく、以下に示すデメリットもあるため、利用の際には注意しましょう。

• 手数料が割高
• 売掛先によっては利用できない
• 売掛先に経営難であることを知られる可能性がある

でんさいとの相違点でも紹介したように、貸倒リスクはファクタリング会社が背負うため、融資やでんさい割引と比較して手数料が割高です。
また、取引先が債権譲渡を禁止している場合は、ファクタリング会社への売掛債権譲渡が困難ですので、事前確認した上でファクタリングの利用を検討しましょう。
加えて、取引先に「ファクタリングの利用が必要なほど経営難な企業」という印象を与えると、今後の取引や契約を解消されるかもしれません。
そのため、取引先にバレたくない場合は、取引先への連絡を必要としない2社間ファクタリングの利用がおすすめです。

でんさいを利用するデメリット

ファクタリングと同様に、でんさいにも以下に示すデメリットが潜んでいるため、注意が必要です。

• でんさいの利用者同士でしか取引できない
• 利用者が貸倒リスクを負う

でんさいでは、でんさいネットを介して電子決済する仕組みであるため、自社だけでなく取引先もでんさいネットに加盟しておく必要があります。
しかし、2022年6月時点で中小企業の決済方法は、手形・小切手が43.7%を占めるのに対してでんさいは8.5%と、普及が完全に進んでいるわけではありません。
でんさいを利用できない理由としては、取引先を理由とするものが53.5%を占めており、自社だけでは解決できない点に課題が残ります。
参照:中小企業における普及状況|でんさいネット
また、繰り返しになりますが、ファクタリングとは違ってでんさい割引で調達した資金は自社で貸倒リスクを負ったままです。

ファクタリングを利用する流れ

ファクタリングを利用する大まかな流れは、下記のとおりです。

1. 申し込む
2. 必要書類の提出
3. 審査
4. 契約の締結
5. 入金

利用したいファクタリング会社の公式サイトから申し込みをおこないます。
その後、審査に通過できたら、正式に契約を締結します。
3者間ファクタリングの場合は、入金を確認して手続きが完了しますが、2者間ファクタリングの場合は取引先から受け取った売掛金をファクタリング会社へ送金して終了です。

でんさいを利用する流れ

でんさいを利用する大まかな流れは、下記のとおりです。

1. 申し込み
2. 審査
3. 契約を締結
4. 電子債権の発生・譲渡
5. 電子債権の決済

でんさいは、金融機関の窓口で申し込みます。
その後に、審査に通過すれば契約を締結し、金融機関の窓口を通じて、でんさいネットの記録原簿に発生記録をおこなえば、電子債権が発生します。
でんさいネットの記録原簿に譲渡記録をおこなうことで、電子債権の譲渡が可能です。
支払期日になれば、取引先の銀行口座からお金が自動引き落としされ、利用者の銀行口座へ送金される流れです。

ファクタリングとでんさいの違いを理解しよう

この記事では、資金調達として有効なファクタリングとでんさいの違いについて解説してきました。
ファクタリングとでんさいには、貸倒リスク・審査基準・売掛先と契約する手間といった項目に違いがあります。
また、それぞれのサービスで違ったメリット・デメリットを持ち合わせているため、状況に応じて使い分けるのがポイントです。
ファクタリングやでんさいについて知らなかった人も、この記事内容を理解した上で新たな資金調達方法として自社に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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