ファクタリングと銀行融資の違いとは?おすすめの使い分け方を紹介
中小企業経営者や個人事業主が資金調達するためには、ファクタリングや銀行融資の利用が選択肢になります。
しかし、日常生活では利用機会がないファクタリングの仕組みを知らない人も多いのではないでしょうか。
そのため、ファクタリングと銀行融資の違いが分からず、どちらで資金調達すればよいのか迷ってしまいますよね。
この記事では、ファクタリングの仕組み、ファクタリングと銀行融資の違いを徹底解説していきます。
この記事を読むことで、資金調達の際にファクタリングと銀行融資を使い分けられるようになり、資金繰りが向上しやすくなるため、ぜひご覧ください。
ファクタリングの仕組みとは?
ファクタリングとは、中小企業事業者や個人事業主が保有している売掛金などの売掛債権を、ファクタリング会社が買い取る仕組みです。
また、ファクタリングの中には、契約者の保有する売掛債権を保証するサービスもあります。
本記事で紹介する売掛債権買取型のファクタリングには、大きく分けて2つの仕組みがあるため順番にみていきましょう。
2社間ファクタリングの仕組み
2社間ファクタリングとは、契約者とファクタリング会社の2社間で契約する仕組みを指します。
2社間ファクタリングは、債権譲渡記録を残す債権譲渡登記を取引先に見られない限り、ファクタリングの利用を取引先に知られません。
そのため、「取引先に資金事情を知られずにファクタリング会社を利用したい」と考える経営者に向いている仕組みです。
3社間ファクタリングの仕組み
3社間ファクタリングとは、契約者とファクタリング会社に加えて、売掛先も契約に関与する仕組みです。
売掛先と直接契約する3社間ファクタリングでは、2社間ファクタリングよりも資金回収できる可能性が高まるため、手数料が安くなる傾向があります。
したがって、「少しでもファクタリングの利用にかかる手数料を抑えたい」と考える経営者におすすめの仕組みです。
ファクタリングと銀行融資の違い9選
上記ではファクタリングの仕組みをご紹介しましたが、ここではファクタリングと銀行融資の違いを以下の9つに分けて解説していきます。
1. 審査対象
2. 返済方法
3. 返済までの猶予期間
4. 資金調達までのスピード
5. 資金調達可能額
6. 資金調達にかかる手数料・金利
7. 貸借対照表への仕訳
8. 資金調達に関する通知
9. 法律による整備具合
それでは、ファクタリングと銀行融資の違いを見ていきましょう。
違い1.審査対象
銀行融資では契約者の信用情報が審査対象となりますが、ファクタリングで重要視される審査対象は、売掛先の信用情報です。
銀行融資とファクタリングでは、資金貸付側の回収先が異なっているため、審査対象にも違いがあります。
そのため、自身の経営状況が悪い場合でも、ファクタリングを利用することで資金調達することが可能です。
資金調達する際は、自身と取引先の経営状況に応じて資金調達方法を選ぶとよいでしょう。
違い2.返済方法
銀行融資においては、一括払いや分割払いなどの返済方法を選択することができますが、ファクタリングは一括払いに限られています。
なぜなら、債権売買を行うファクタリングは貸金業務ではなく、分割払いによって生じる金利を受け取る行為は貸金業法により違法とされているためです。
なお、売掛先がファクタリング会社に売掛金を支払う仕組みの3社間ファクタリングであれば、そもそも契約者が返済する必要はありません。
違い3.返済までの猶予期間
銀行融資は数年単位の返済期間を設定できますが、ファクタリングは売掛金が入金されてから1ヶ月〜3ヶ月程度で一括返済する必要があります。
短期間での返済が必要なファクタリングでは、ファクタリング会社から調達した資金と回収した売掛金を合わせて資金繰りに利用するのは難しいでしょう。
ですから、「長期にわたって資金を借りておきたい」と考えている場合は、銀行融資を検討するのも手です。
違い4.資金調達までのスピード
ファクタリングは銀行融資よりも早いスピードで資金調達することができます。
銀行融資では、返済能力を確認するために様々な審査項目がありますが、ファクタリングはあくまでも売買債権譲渡が目的のため、審査に時間がかかりません。
一般的に、銀行融資は申し込みから1ヶ月かかるのに対し、ファクタリングは2社間で最短即日〜4日、3社間で10〜20日で資金調達ができます。
資金調達までの期間に応じて、銀行とファクタリングを使い分けるのも資金調達のポイントです。
違い5.資金調達可能額
銀行融資の資金調達可能額は月商3ヶ月分が目安であるのに対し、ファクタリングは保有する売掛債権額が上限額になります。
ファクタリングは売買債権を売却し、売買債権額から手数料を差し引いた資金を受け取ることができる仕組みです。
言い換えると、ファクタリングでは売上が発生している状態でないと資金調達ができません。
違い6.資金調達にかかる手数料・金利
銀行融資の平均借入金金利は1%ほどですが、ファクタリングは2社間で10〜30%、3社間で1〜9%と手数料が高い傾向です。
ファクタリング会社は売掛金を回収できなくなるリスクを背負っており、売掛先と契約を結ばない2社間ファクタリングは特に手数料が高くなっています。
ただし、銀行融資の金利は年率であるため、金利が低いからといって長期間の借入を続けると、返済額も増えてしまう点には注意しましょう。
違い7.貸借対照表への仕訳
資金調達した際の貸借対照表への仕訳が異なっており、銀行融資では負債の借入金、ファクタリングの利用では現金に該当します。
上述したように、ファクタリングは、売買債権を売却することで資金を受け取る仕組みになっているためです。
負債に仕訳されないということは、ファクタリング会社で資金調達しても、銀行融資の審査に影響を与えることはありません。
「銀行融資が控えているけれどすぐに資金が必要」という状況であれば、ファクタリングを検討するのも手です。
違い8.資金調達に関する通知
銀行融資で資金調達しても、自身の取引先に知られることはありませんが、3社間ファクタリングの場合は取引先にも知られてしまいます。
はじめに解説した通り、3社間ファクタリングは、取引先とファクタリング会社が直接契約を結ぶ仕組みになっているためです。
3社間ファクタリングを利用すると、資金繰りに関して取引先が不信感を抱く可能性があるため注意する必要があります。
違い9.法律による整備具合
銀行融資では、比較的安心して資金調達できますが、ファクタリングはやばい会社が中には存在します。
銀行融資は銀行法により法律が整備されている一方、ファクタリングは歴史が浅くて法律が整備されていません。
審査なしや分割返済で資金調達可能であったり、相場以上の手数料を請求してきたりする会社は、違法の可能性があります。
ファクタリング自体は違法ではないため、やばいファクタリングサービスを展開する会社を利用しないことが重要です。
ファクタリング利用をおすすめできるパターン3選
ファクタリングと銀行融資の違いを把握できたところで、まずはファクタリングの利用をおすすめできる以下の3つのパターンについて解説します。
1. なるべく早く資金を調達したい
2. 信用情報が乏しく銀行融資の審査が通らない
3. 大型の銀行融資を受ける予定がある
それでは、ファクタリング利用をおすすめする3つのタイミングを見てみましょう。
なるべく早く資金を調達したい
急ぎで資金調達しなければならない場合は、ファクタリングを利用しましょう。
特に、取引先との契約を必要としない2社間ファクタリングの利用が、3社間ファクタリングに比べて早い取引方法です。
早ければ申し込みしてから最短即日で資金調達可能なファクタリング会社も珍しくありません。
なお、ファクタリング会社によっても資金調達までの期間は異なるため、よく確認してから申し込むのがおすすめです。
信用情報が乏しく銀行融資の審査に通らない
信用情報に問題があって銀行融資の審査に通らない人には、ファクタリングの利用が向いています。
自身の信用情報や返済能力に関係なく資金調達できるのが、ファクタリングのメリットです。
ただし、銀行融資の審査に通らないからといって、審査なしのファクタリングを利用するのは控えましょう。
審査なしのファクタリングサービスを展開している会社は違法である場合が多く、後から高額な手数料を取り立てられるリスクがあります。
大型の銀行融資を受ける予定がある
大型銀行融資の審査を受ける前に資金準備する必要がある場合、ファクタリングの利用がおすすめです。
銀行融資を受けて貸借対照表の負債比率が高まっていると、返済能力が低いと判断される可能性があります。
負債比率とは、流動負債や固定負債などの負債を、資本金や利益剰余金などの自己資本で割ることで算出する比率です。
つまり、負債比率を高めたくない時は、資産調達しても現金に仕訳されるファクタリングを利用するとよいでしょう。
銀行融資の利用をおすすめできるパターン2選
続いては、銀行融資の利用をおすすめできる以下の2つのパターンについて解説します。
1. 資金調達まで猶予がある
2. 保有する売掛金よりも多い資金が必要
ファクタリングを利用すべきか、銀行融資を利用すべきか、自身の状況に置き換えて考えてみてください。
資金調達まで猶予がある
資金調達まで1ヶ月以上の期間がある場合は、銀行融資で資金調達するようにしましょう。
銀行融資は申し込みから資金調達まで1ヶ月程度要しますが、平均借入金金利は1%ほどと手数料相場が1〜30%のファクタリングよりも低コストです。
資金繰りを悪化させないためにも、できるだけ安く資金調達を済ませることをおすすめします。
保有する売掛金よりも多い資金が必要
保有する売掛金以上の資金が必要な場合、銀行融資による資金調達が向いています。
ファクタリングで調達できる資金は、保有する売掛債権額までと限度がありますが、銀行融資であれば売上額以上の資金を借入可能です。
ただし、銀行融資による借入可能額の目安が月商3ヶ月分であることには注意しておく必要があります。
ファクタリングと銀行融資を上手く使い分けよう
この記事では、ファクタリングと銀行融資の違いとともに、資金調達先をパターンごとに使い分ける方法について解説してきました。
ファクタリングと銀行融資では特徴が大きく違っており、全く異なる資金調達方法といっても過言ではありません。
ファクタリングと銀行融資の違いを理解し、上手に使い分けることで、資金繰りに困らない中小企業経営者や個人事業主を目指していきましょう。
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信用情報に影響がないため、今後、銀行融資を検討している方にもファクタリングはおすすめです。
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