ファクタリングには最高利用回数が決められている?利用時の注意点
ファクタリングを利用する方は、個人事業主・法人を問わずに増加しています。
経済水産省も推奨しているれっきとした資金調達方法として定着しつつありますが、利用する際にはいくつか注意点があるので確認しておきましょう。
ファクタリングを利用する前に知っておきたいポイントや、ファクタリング利用時の注意点を解説します。
目次
ファクタリングはどんな仕組み?
まずはファクタリングをはじめて利用する方に向けて、ファクタリングがどんな資金調達方法かを解説します。
ファクタリングでは、実際に仕事をしてから支払いまで間がある“売掛債権”を持っている事業主を対象に、売掛債権を買い取り、本来より早めに資金を調達できる仕組みです。
いわゆる売掛債権貧乏になっている事業主を救う資金調達方法として、経済水産省からも推奨されている安心のサービスといえます。
ファクタリングが利用できるのはどんなとき?
ファクタリングは国が認める資金調達方法であると言っても過言ではありませんが、売掛債権を持っていれば誰でも利用できるわけではありません。
これからファクタリングを使う方に向けて、ファクタリングはどんなときに利用できるのかをご紹介します。
ファクタリング会社の審査に通った事業主が使える
ファクタリングはお金を借りる融資とは違い、売掛債権を買い取るビジネスです。
ファクタリングを行っている買取会社に申込みをして、審査に通れば利用できます。
ですが、会社によって一定の審査基準が設けられており、申込みをすれば誰でも使えるわけではありません。
会社によっては法人利用のみOKなところもあれば、金額が一定金額以上でないと買取しない会社、売掛債権の職種を限定している会社もあるため、利用する前には自分の持っている売掛債権が対象かどうか公式HPなどで確認しておくといいでしょう。
手数料を支払う
審査が終われば売掛債権の買取りが完了し、ファクタリング契約が結ばれます。
ファクタリング契約が結ばれる際には必ず、事前に売掛債権分のお金などを会社が立て替えることもあり、手数料が発生するのが特徴です。
手数料のパーセンテージは会社によって異なりますが、大体2~10%内で設定している会社が多く、買い取られた売掛債権分から手数料が引かれた金額が手元に入ります。
手数料の設定は会社によって異なるため、できるだけ手数料が低いところを選べれば一番ですが、その分審査が厳しいなど長所と短所があることを頭に入れておきましょう。
ファクタリングは何回まで使える?最高利用回数は何回?
ファクタリングは融資などとは異なり、基本的に最高利用回数は設けられていません。
むしろ利用すればするほど手数料をお得に設定している会社も多く、最高利用回数の制限は設けずに何度でも利用してほしいと考えているファクタリング会社も多いです。
ただし、最高利用回数はなくとも、今まで利用していた会社にも関わらず突然審査に通らなくなるケースもあります。
例えば、このようなケースでは突然利用ができなくなることもあるので気を付けましょう。
2社間取引で振り込みが遅れた
ファクタリングは事業主本人とファクタリング会社の2社間で行われる、2社間契約が行われることが多いです。
2社間契約の場合、まずファクタリング会社は売掛債権を買い取って事業主にお金を支払った後に、事業主が売掛先から振り込みがあり次第、立て替え分の売掛債権分を返金するという流れになります。
そのため何らかの都合で振り込みが遅れると信用がなくなり、次回以降の契約が打ち切られる場合があるため気を付けましょう。
申込み書類にミスや不正があることが発覚した
ファクタリングの申込みをする際には事前に審査が必要ですが、1度取引が終わった後に、再度申込みをした段階で申込書類に不備があることが見付かった場合も、突然取引が停止される可能性があります。
こちらはごく少数のケースではあるものの、稀に本来必要なはずの書類が提出されていないまま取引が進んでしまうなどの事故が発生することもあるため、不要なトラブルを避けるためにも必要書類の確認を怠らないようにしましょう。
特にファクタリング審査の際にAI審査が設定されている会社は、精度の低いAIを利用しているとこうしたミスが起きることもあるため注意が必要です。
最高利用金額の上限に達した
最高利用回数とは別に、最高利用金額を設定しているファクタリング会社はあります。
こちらは何度でも利用して良いものの、売掛債権が実際に回収できるまでに利用できる最高金額が設定されていて、その金額を超えたら一旦取引をストップするという仕組みです。
何度も利用している事業主でも断られることもあるため、利用しているファクタリング会社に最高利用金額があるかは事前にチェックしておくべきでしょう。
最高利用回数や利用金額が設定されていない会社は逆に注意
最高利用回数や最高利用金額が設定されていないファクタリング会社も多々ありますが、このような会社には逆に注意が必要です。
ファクタリングを利用するのに制限がないということは、裏を返すと無計画に何度も利用できるということなので、結果として資金繰りが厳しくなる事業主も少なくありません。
現金が手元に入ったらすぐに計画せずに使ってしまうタイプの事業主は、ファクタリング会社選びには充分気を付けるべきでしょう。
ファクタリング会社によっては資金調達方法のサポートや相談にのるサービスを提供する会社もあるため、事業を始めたばかりでどのようにビジネスを回すべきか悩んでいる会社さんは相談すると安心です。
最高利用回数が設定されていない以外にもファクタリング会社選びにはご用心!
最高利用回数や最高利用金額が設定されていない会社は利用の際に注意をしないといけないですが、その他にもファクタリング会社を選ぶ際にはいくつかの注意ポイントがあります。
ここからはこれからファクタリングを利用する事業主に向けて、ファクタリング会社選びのコツをお伝えします。
会社の口コミなどを要確認
悪質な業者の場合は日常の業務が妨害されるような取り立てを行われる恐れがあると、金融庁公式HPから注意喚起が出されています。
ファクタリングは仕組みの都合上、1度売掛債権のお金をファクタリング会社側が立て替えることもあり、何らかの理由で債権が回収できないと、過度な取り立てが行われるケースがあるのが難点です。
売掛先の支払いが遅れる、売掛先が自己破産をして支払いができなくなるなど、何らかのトラブルが起きたときには、元々は売掛債権を持っていた事業主側の責任が問われ、その結果過度な取り立てが行われる可能性もあるでしょう。
一般的なファクタリング会社であれば悪質な取り立てが行われることはありませんので、口コミなどを確認し、安心して使える会社を選ぶべきでしょう。
3社間契約の方が手数料が低めに設定されている
ファクタリング会社によって2社間契約だけではなく、3社間契約(売掛先も契約に含んだ契約)が用意されているところもあります。
3社間契約の場合、ファクタリング会社は売掛先に直接債権の請求を行えるため、その分債権未回収リスクが低くなり、手数料も低めに設定している会社も少なくありません。
ただし売掛先に事前に伝えておかないと、クライアントが事業主に対して不信感を抱く可能性もあるため、手数料を取るべきか信頼度を取るべきかを検討するべきでしょう。
資金が振り込まれるまでの期間を確認
ファクタリングは契約が成立次第、即日資金が振り込まれる場合もありますが、会社によっては数週間程度かかる場合もあるのが特徴です。
本来の売掛債権を回収するよりも早めに回収できるというメリットはありますが、近日中に振り込まれると思っていたのに随分時間がかかった、というケースも少なくありません。
資金調達をできるだけ早くしたい場合は、多少手数料が高くても即日取引を得意としているファクタリング会社へ申込みをするといいでしょう。
1度審査に通らなくても諦めない
ファクタリング会社を見つけてせっかく申込みをしたにも関わらず、審査に落ちてしまったというケースは珍しくありません。
この段階で他の会社への審査まで諦めてしまうと、契約が成立するものも成立しなくなってしまいます。
ファクタリング会社によって最高利用回数や利用金額などが異なることはもちろん、審査基準も大きく異なるので、同じ条件でも別会社では即座に審査に通るということもよくあります。
ファクタリングを利用できないのかと諦める前に、まずは条件が似ている他の会社に改めて申込みをすると良いでしょう。
変えられる条件を見直すのも手
あまりにもいろいろなファクタリング会社の審査に落ちてしまう場合、提示する条件の中で見直せるものがあれば、変更して再度申込みをするのも手です。
例えば、申込金額を減らす、融資までの希望期間に余裕を持たせる、2社間ではなく3社間契約を選択するなど、取引内容を少々見直すだけで審査に通過する可能性が格段に上がります。
もちろん譲れない条件などもあるかと思いますので、どうしても譲れない条件はそのままにして、最低限この部分は譲っても良いという箇所だけを変更してみてはいかがでしょうか。
ファクタリングの最高利用回数は何回かのまとめ
ファクタリングは最高利用回数の設定は特に設けられておらず、何度でも資金調達ができる方法として知られています。
ですが取引するファクタリング会社によっては最高利用金額が設定されている場合もある他、別途ファクタリング利用の際に制約を設けているところもありますので、利用するファクタリング会社を選ぶときには細かい部分までよく比較するといいでしょう。
これからファクタリング会社に申込みをする方は、悪質な会社と取引をしないように、口コミや評判をチェックすることも忘れてはいけません。
申込みをする前に気になる会社があれば、まずはSNSや口コミサイトなどを活用してみてください。